毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「ストレージの仮想化」即席!3分で分かるITトレンド

ストレージの運用管理を効率化する仮想化の基本と、さらに利便性を高める技術として押さえておきたいシンプロビジョニング、重複排除(デデュプリケーション)について解説します。

» 2015年09月14日 07時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


実容量を超えて使用効率をアップ

 ストレージの仮想化は、ハードウェアの物理的な制限・制約からの解放するために使われる技術です。

コレ1枚で分かる「ストレージの仮想化」

 ストレージの容量は、使っているか、いないかに関わらず、例えば「128Gバイト」というように、物理的に決まっています。サーバごとに個別のストレージを割り当て、その容量内でしか使えないのでは、複数のサーバを使っている場合などには非効率的です。そこで、複数のストレージを1つにまとめ、複数のサーバで共用してそれぞれに必要な容量を割り当てることで使用効率を高めることができます。

シンプロビジョニングと重複排除とは

 また、シンプロビジョニング重複排除(デデュプリケーション)という技術で使用効率や利便性をさらに高めることができます。

 シンプロビジョニングは、サーバ上のアプリケーションに対する物理ストレージの容量を実際より多く見せかける技術です。この技術が出てくるまでは、物理ストレージの容量が変わった場合のサーバやアプリケーションへの設定変更が必要でした。しかし、この技術を使えば、サーバやアプリケーションに最初から仮想的に大容量を設定しておきながら、実データとしてはその時点で必要な容量だけを用意し、容量が足りなくなった場合に追加容量を物理的に補充するだけで済みます。これにより容量を節約できるとともに、運用負担も軽減できます。

 重複排除は、データが重複している部分を削減し、ストレージの使用効率を高める技術です。例えば、電子メールでファイルを添付して同時に複数の人に送信すると、同じファイルのコピーが幾つも作られてしまいます。この重複データを削除してデータ容量を削減する一方で、ユーザーには元の通り複数のファイルが存在するかのように見せかけることができます。ユーザーに意識させずにストレージの容量を減らすことができるのです。

 ビッグデータ時代となり、ストレージのニーズが高まる中、効率よくストレージを利用し、運用や管理の負担を軽減する技術の需要は、今後もますます高まっていくでしょう。

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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