毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「デスクトップの仮想化」と「アプリケーションの仮想化」即席!3分で分かるITトレンド

ネットワーク資源を有効活用し、クライアント端末の機能やデータの運用管理を効率化できる技術として注目されている「デスクトップの仮想化」と「アプリケーションの仮想化」。それぞれの基本を分かりやすく解説します。

» 2015年09月28日 07時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


コレ1枚で分かる「デスクトップの仮想化」と「アプリケーションの仮想化」

“デスクトップでできること”を仮想化

 「デスクトップ仮想化」は、サーバ仮想化と同様の技術で、サーバ上にユーザー個別の「仮想PC」を稼働させ、ネットワークを通じてその仮想PCの画面を手元のディスプレイに転送して表示させ、キーボード、マウスなどの入出力装置を使えるようにする技術です。ちなみに「デスクトップ」とはPC画面のこと。「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」とも呼ばれています。

 利用イメージは、「仮想PCで普通のPCと同様にWindowsを動かし、WordやExcelを使い、作成した文書や表は自分の仮想PCに割り当てられたストレージに保存する」――といった形になります。ユーザーは、手元にあるディスプレイやキーボード、マウスを操作しますが、実際に使うプロセッサーやストレージは、サーバのものです。

“特定のアプリケーション”のみを仮想化

 一方、「アプリケーション仮想化」は、PCの全機能ではなく、特定のアプリケーションだけをサーバで動かし、ネットワーク越しに複数ユーザーで共用する技術です。さらに、ネットワークがつながっていないときでも操作を継続できるようにしたソフトウェアも登場しています。

 例えば、MicrosoftのInternet Explorer(IE)6でなければ動かないアプリケーションがあり、同時に最新バージョンのIEも利用したいとき、IE6を「アプリケーション仮想化」で使用し、PCでは最新IEを動かせば対処できます。また、コンプライアンス上、データやアプリケーションを持ち出せない場合に、自社のデータセンターに設置されているサーバでこれを動かし、操作を外部から行うといった使い方もできます。

 どちらも管理されたデータセンターに設置されたサーバで動かすため、データの持ち出しは困難です。また、盗難や置き忘れで手持ちのPCがなくなっても、管理者がそのPCから仮想PCへのアクセスを遮断してしまえばデータを使えなくなります。さらに、忘れがちなバックアップやセキュリティ対策などは、運用管理者がサーバに対して一括で行えることから、安全安心の担保、運用管理負担の軽減にもつながります。

 また、自宅で仕事をする場合、自宅のPCからネットワークを介して会社で使っている仮想PCのデスクトップを呼び出せば、会社と同じ環境をそのまま使えます。この技術は、災害や事故でPCが破損してしまった場合にも使えることから、事業継続の観点からも注目されています。

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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