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» 2016年06月16日 08時00分 公開

人を“納得させる”プレゼンスキル、2つのポイントプロマネ1年生の教科書(2/2 ページ)

[岩淺こまき,ITmedia]
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質疑応答で失敗しないために

photo 相手を納得させるという点では、質疑応答の時間は大きなチャンス。存分に生かしましょう

 質疑応答の時間はメンバーがテーマ(決定事項)に関わるよい機会であり、メンバーが納得感を得て「自分ごと」に感じてもらうチャンス。そのためにも絶対に外せません。

 質疑応答の基本的な進め方は「質問を促す」「質問を復唱する」「結論から答える」の繰り返しです。

 内容についての説明が終わったらまず、プロマネ自身から“何か質問はありませんか?”とメンバーに話を振ります。その際に努めて和やかな雰囲気(メンバーが質問しやすい空気)を作り出すのが大事です。質問を促したら、ゆっくりと間を取ってください。プロマネとしてはもどかしい時間かもしれませんが、メンバーが理解を深め、質問内容を考えている貴重な時間です。おおらかな気持ちで待ちましょう。

 実際に質問が来たら、丁寧に誠実に対応します。“は?”と表情をゆがめたり、時計を見たりするのはNG。相手が質問しやすい態度で聞き、質問内容を復唱します。特にメンバーの人数が多くなればなるほど、復唱は重要です。メンバー全員が質疑応答のやりとりに参加できるため、全員の理解や参加意欲が高まるからです。

 質問に対する回答は、結論から話すのが基本です。YesかNoで返せる話であれば、まずはそれを話しましょう。そのあとに理由を述べるとメンバーの理解が深まるほか、プロマネへの信頼度も上がります。どんなメンバーでも、どんな質問でも、丁寧かつ大切に対応することを心掛けましょう。

「クロージング」を大切にすること

 説明の時間を終わらせる瞬間も大切です。仮に時間がなくなってしまっても「時間無いから、何かあったらメールで」などと打ち切るよりは、クロージングの時間をしっかり取るのが望ましいです。

 「いろいろな質問に回答したけど、内容は理解できたでしょうか? 作業して何かあれば、いつでも声かけてください」という感じで、“頑張りましょう”など、メンバーの意欲を上げる一言をしっかり伝えて終わりましょう。

 行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱した「ピークエンドセオリー」という法則があります。「≪人は自分の経験を、一番感情の残ったそのピーク時の印象と(今回であれば質疑応答時)、それがどう終わったか(終了間際)の印象だけで判断している」というものです。

 以上をまとめると、誠実な質疑対応をきちんと終わらせることで、次の効果が期待できます。

  1. 「メンバーの理解を深める」「テーマに関われた感を生み出す」→「自分ごと」化できる
  2. 「プロマネへの信頼感」「意欲を上げて終わる」→よい印象で仕事に取り組める

 メンバーが約束を守り、高いモチベーションで仕事を行うという点についていえば、決定事項について話す時間よりも、質疑応答の時間の方が重要です。後者に時間を割けるよう時間を計画し、説明に臨んだほうがよいでしょう。

著者プロフィール:岩淺こまき

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師

 大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気付く。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。

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