Aさん: 1つは、立場や価値観が大きく異なる人とコミュニケーションをとらないといけない、というビジネスの世界の現実に早く慣れてもらうこと。もう1つは、大多数のビジネスパーソンたちが「これが正解」と思い込んでいるコミュニケーションのとりかたを、彼らにマスターしてもらうことだ。
わたし: 正解、ですか? 私は「正解」という言葉があまり好きではないというか……。
Aさん: 実際には、コミュニケーションの世界に正解なんてものはない。でも、円滑にコミュニケーションをとるための“無難なやり方”というのはある。それを「これがビジネスの世界のコミュニケーションの正解だ」と思っている人が少なからずいることは確かだね。
わたし: なるほど、その「無難なやり方」を早く覚えてもらわないといけないってことなんですね。その「無難なやりかた」に対して感じている、抵抗感みたいなものを払拭してあげることも重要なのかもしれません。
Aさん: そうだね。ツールはしょせんツールでしかない。本来は、どんなツールを使ったって、相手に確実に伝えたいことが伝わればいいはずなんだけどね。でもツールって目立つんだよ。今のところは、会社に遅刻しそうな連絡を電話でするのはいいけど、LINEでするのは望ましくない、ということになってる。でも、LINEを日常的に使っている新入社員は、頭ごなしに「LINEはダメ、電話ならいい」と言われたら、古いやり方を押し付けられている、と思うだろうね。なぜ、LINEは良くないといわれているのかというところまで、ちゃんと説明して理解を得てもらわないとね。
わたし: 確かに、そうですね。
Aさん: キーボードもさ、最近、LEDバックライトを装備したものが流行っているんだよ。光ってどうする、ということではなく、そうやって新しいものを受け入れていくという器が先輩諸氏に求められているかもしれんなぁ。
……ん? なにげなく今、さらっとキーボードの話が出たような……。このスイッチは入れたほうがいいの? 流したほうがいいの? コミュニケーション的には、どっちが正解?
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