三菱重工航空エンジン、サプライヤー向けポータルをPaaSで構築

Oracleのクラウドプラットフォーム「Oracle Java Cloud Service」を活用して、納期情報や製品不具合時の情報をやりとりするサプライヤーポータルを構築。業務プロセスの効率化・可視化を目指す。

» 2016年10月27日 08時25分 公開
[ITmedia]

 ジェットエンジン開発を手掛ける三菱重工航空エンジンが、サプライヤー向けポータルサイトの構築に日本オラクルのクラウド型Javaアプリケーション開発・実行基盤「Oracle Java Cloud Service」を採用した。日本オラクルが10月26日に発表した。

 三菱重工航空エンジンは、航空エンジンメーカーからのコンポーネントや部品の受託生産と、航空会社を主な顧客とした航空エンジン本体のオーバーホールサービスを主力事業としており、「不具合ゼロ」「設備ダウンタイムゼロ」のスマートファクトリーの実現を目指して、ITを活用した業務プロセスの効率化・可視化を推進しているという。

 ポータルサイト構築はその一環になるとし、航空エンジン部品供給企業とのサプライチェーンの効率的なコミュニケーションを実現することが目的。サイト開発・運用のプラットフォームに「Oracle Java Cloud Service」を採用した。

 同サイトでは11月から、一部のサプライヤー向けに納期情報や製品不具合時の情報をやりとりを開始する予定という。製品の不具合や納期遅延が起きた際に、サプライヤー自身に発生状況をポータルサイトへ入力してもらい、それらの情報をリアルタイムに把握できるようにするという。従来は1週間分のデータを集めて表計算ソフトで集計・グラフ化し、メールで関係者にレポートするという週次作業だった。ポータルサイト化で情報をタイムリーに閲覧でき、対応のための関係者間のコミュニケーションが迅速化し、工数削減も見込む。コスト面では、ライセンス購入の固定資産ではなく、経費で製品を利用できることがメリットだという。

 今後は、サプライヤーからの要望に応じて、不具合に関する傾向情報もポータルサイトで提供し、生産工程の分析にも活用できるようにしていくとしている。三菱重工航空エンジンは「Oracle BPM Suite」も導入しており、業務プロセスの標準化プロジェクトを推進しているとのこと。社内での試験プロジェクトを経て、2017年からサプライチェーン管理、設計変更管理などの基幹業務にも適用していく予定だという。さらに「Oracle BPM Suite」と同等の機能を提供する「Oracle Process Cloud Service」の採用も検討しているという。


 リアルタイムに情報をやりとりできるサプライヤーポータルの利用は、ビジネスのスピードアップに直結する。こうした仕組みの構築・運用に掛かる手間やコストを低減してくれるソリューションとして、クラウドプラットフォームの活用は今後も拡大していくだろう。

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