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» 2016年12月26日 13時00分 公開

Weekly Memo:ITの10大トピックで振り返る2016年 (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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利用形態が多様化するクラウド、一方で問われる本質

 さて、ここからはクラウドをテーマにした5本の記事を紹介したい。

 まず1本目は、5月2日掲載の「業務システムのクラウド化、成功のカギは『松・竹・梅』の見極めにあり」である。ガートナーは「企業が既存の業務システムをクラウド化する際は、まずその業務要件レベルを見極めることが重要だ」とし、個々の業務要件レベルに求められる可用性の稼働率に応じて「松」「竹」「梅」と仕分けして自社のシステムに適合するレベルを採用するよう呼びかけている。これはクラウドの本質的なメリットを問う考え方である。こうした考え方がさらに浸透するようにしたいものである。

Photo 業務要件レベルに対応したクラウドの種類と位置付け(出典:ガートナー)

 2本目は、7月11日掲載の「富士通とOracleが提携、クラウド導入の壁を崩せるか」である。両社の提携によって、Oracleデータベースをオンプレミスで使用している日本企業が、クラウドへ安心して移行できるスキームが整った。日本オラクルによると、Oracleデータベースは国内データベース管理ソフト市場で約半数のシェアを占めており、多くの企業にとってクラウド利用という選択肢が得られるようになったわけだ。長らく使い続けられてきたオンプレミスの基幹システムが、クラウドへ移行する動きの大きなきっかけになるかもしれない。

Photo 富士通とOracleの提携会見

 3本目は、8月15日掲載の「クラウドサービス市場の覇者は? 最新勢力図を検証する」である。この記事は、パブリッククラウドのIaaS市場における上位10社を取り上げたガートナーの「マジック・クアドラント2016年版」と、総務省の「平成28年度版 情報通信白書」に記されていた米IHS Technologyによる「世界のクラウドサービス市場の売上高推移」および「世界のクラウドサービス市場におけるベンダー20社の市場シェア(2015年)」を基に解説している。この勢力図が2017年にどう変わっていくか、注目されるところである。

 4本目は、10月17日掲載の「クラウド市場に異変? 相次ぐ協業の狙いを読み解く4つのポイント」である。この記事では、「AWSとSalesforce.comの日本法人による協業強化」と「AWSとVMwareの提携」といった2つの動きから、クラウド分野においてユーザーニーズに基づいた協業が本格化し始めたことをお伝えした。2017年はこうした動きがさらに加速し、マルチクラウドやハイブリッドクラウドなど、クラウドの利用形態が一段と多様化しそうだ。その一方で、これまで目立たなかったインテグレーションの問題などが浮き彫りになってくるだろう。

 そして5本目は、12月5日掲載の「なぜ、MSは『Dynamics 365』でERPとCRMを統合したのか」である。Microsoft幹部がDynamics 365を市場投入した狙いについて、「これまでERPとCRMの製品が分かれていたのはベンダー目線によるものだ。当社は新たにユーザー目線で両分野を統合した製品を提供したい」と語ったのが印象的だった。一方で、両分野ともそれぞれに競合がひしめいているだけに、同社としては勝負する“土俵”を変えようという意図もうかがえる。その思惑通り、Dynamics 365が企業に幅広く受け入れられれば、基幹業務アプリケーション市場のありようも変わる可能性がある。

 以上、本コラム連載から2016年の10大トピックを挙げてみた。皆さんの情報整理のお役に立てば幸いである。

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