JINS MEMEで集中が可視化できるようになったことから、新たにビジネスシーンでこれを活用するためのソリューションの提供も開始する。それが「JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS」だ。従業員の集中度を可視化してコミュニケーションをスムーズにする機能の実装や、「マインドフルネス」と呼ばれる、仏教の禅の考え方や瞑想をベースとした、集中力向上やストレス軽減につながるとされるプログラムの実施などを、JINS MEMEでサポートする。
テレワークの支援などに活用されているPhone Appliの「“働き方改革”テレワーク支援サービス −コネクテッドオフィスワーカー−」は、JINS MEMEで計測したチームメンバーの集中度をアイコンで示し、コミュニケーションの際の参考情報とする。
コネクテッドオフィスワーカーは、Webベースの電話帳アプリケーションで、バラバラに管理されている取引先や社内の連絡先に関する情報を管理できる、企業内のコミュニケーションポータルを担うサービスだ。現在約350社が導入しているという。
通常は、従業員の出社状況や座っている場所などが参照でき、必要に応じてチャットや電話などでワンボタンでコミュニケーションが取れる。コネクテッドオフィスワーカーとJINS MEMEのデータを連係させると、メンバーの集中度が分かるようになる。集中しているときには電話をしたりチャットで話しかけたりしないように配慮したり、集中力が落ちているときは声をかけたりと、「監視ツールではなく、個人にとってポジティブなソリューションにしたいですね」とPhone Appli 代表取締役社長の石原洋介氏は話した。
コネクシオが提供する「“働き方改革”アセスメント・サービス」は、その名の通り働き方改革のために実施したさまざまな施策の効果を、JINS MEME OFFICEで測定し、結果をレポートするサービス。フレックスタイム制度やテレワーク、フリーアドレスなどの策がどの程度効果的だったかを数値化でき、着実に生産性を上げられる仕組みや組織作りに役立てられる。4月3日に正式サービスを開始予定で、現在は特設ページからモニター(5社)を募集している。
エン・ジャパングループのインナーコーリングは、マインドフルネスを使って集中力を向上させる研修を提供する。企業向けに実施するソリューション「cocokuri」で提供するこのトレーニングは、マインドフルネスを通じて得られる集中力をJINS MEMEで可視化し、自分自身の集中状態への理解を深める研修プログラムとなっている。集中力を身に付け、心的耐久力(折れない心でやり抜く力)、社会的知力(人と社会を思いやる力)、創造的知力(イノベーション思考力)をみがく。
マインドフルネスは、米国発のプログラムだが、日本のビジネスパーソン向けに、八正道を取り入れたものにアレンジ。浄土宗光琳寺 副住職の井上広法氏をコーチに迎え、マインドフルネスの習慣化を図り、こころのスキルアップを実現するためのアフターフォローも行う。
2015年11月の発売から1年少々が経過したJINS MEMEは、眼電位センサーという、他に類のないユニークな機能を持った製品だ。これまでランナー向けやドライバー向けなど、興味深い利用シーンがいくつか提案されてきたが、まだキラーアプリケーションと呼べるものは登場していない。取得したデータをどう活用するかについては、まだまだ進化の余地がある。
そんな中、「集中」をキーワードに、パートナー企業と複数のソリューションを提供することになった今回の発表は、「生産性の向上」という漠然としたテーマのデータ的な裏付けになり得、ビジネスに新たな気付きや変革をもたらす可能性がある。ジェイアイエヌの田中仁社長は、JINS MEMEの発表会で「いずれこの眼電位センサーがすべてのJINSのメガネに標準搭載されるようになる」と宣言した。自然にかけられるメガネが、さりげなくコミュニケーションに役立ったり、自分の生産性向上や体調管理に活用できたりする未来は面白そうだ。
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