北陸銀行が“テキスト解析AI”で営業記録を分析、顧客フォローへの活用を検証

AIで営業記録を分析し、フォローを要する案件などを的確に抽出する実証実験を北陸銀行が開始。解析結果の妥当性や、実業務への適合性を検証する。

» 2017年09月01日 15時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 北陸銀行は、FRONTEO、電通国際情報サービス(ISID)と共同で、FRONTEOの人工知能(AI)「KIBIT」を用いて、銀行業務における文書データの活用に向けた実証実験を開始した。

 KIBITは、FRONTEOが開発した、人間の“機微”を理解するというAI。少数の教師データ(テキスト)から、暗黙知や感覚といった人間の抽象的な判断軸を学習し、人間の判断や情報の選び方を再現するとしている。学習結果に基づいて、他のデータを評価することで、大量のデータからユーザーの意図に合致する情報を抽出できる。

Photo 人工知能「KIBIT」による実証実験のイメージ

 今回の実証実験では、取引先への提案活動を記録した数十万件に及ぶ交渉履歴をKIBITで分析し、「良好な事例」や「サポートが必要な事例」を短時間で分類、適切に抽出できるかを検証する。合わせて、こうした案件フォローをスムーズに行う仕組みや、体制づくりを目指すという。

 また、投資信託や生命保険などの金融商品販売の交渉記録をKIBITで分析し、「顧客のニーズや目的に合致する販売がなされているか」「交渉の際に適切な説明がなされているか」といったモニタリングを行うためのデータを短時間かつ的確に抽出できるかを検証する。

 実施期間は約2カ月を予定。北陸銀行は、実証実験を通して、顧客をきめ細かくフォローできる体制を確立し、顧客本位を目指す営業体制を強化していきたい考えだ。

 FRONTEOは、データ抽出を効果的に行うためのチューニングや、AIに読み込ませるデータ作成のサポート、KIBITの操作レクチャーといった技術支援全般を担当。ISIDは、地域金融機関に顧客とのコミュニケーション形成を支援するソリューションを提供してきた知見を生かし、教師データの作成支援や解析結果の評価支援など、実業務への適用を見据えたサポートを行うという。

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