2007年から3年ごとにガートナーが行っている調査『BIソリューション/ツールの利用状況に関する経年変化』によると、「利用中」と回答した企業は、2007年の18%から2016年には37%に。毎回順調に増え、9年間で倍増している――。
こう話すのは、BOARD Softwareの古賀定雄氏だ。特に従業員2000人以上の会社での利用率が高く、2007年の53%から2016年には80%へ、加えて「3年以内に新規導入予定」とする企業も9%あるなど、BIツールの普及は進んでいるように見える。
しかし一方で、「BIツールを活用している従業員の割合」という質問では「1%未満」が6%、「1%以上10%未満」が30%、「11%以上20%未満」が22%となり、「セルフサービス」が浸透しているとは言い難い面も浮かんでくる。「ビジネスの見える化」が業績に好影響を与えるケースが多い一方で、課題もまだまだ多いという。
講演の後半では、SIEMENSへの導入事例をあげて、BIツール「BOARD」のソリューションを紹介。それまでパフォーマンスの算出に要していた時間を2カ月から2週間にまで短縮し、情報精度の向上や管理コストの大幅削減という効果ももたらしたという。「BOARDはBIにとどまらず、CPM、予測分析、連結決算をワンプラットフォームで実現し、ワンストップでさまざまな機能を活用できます」(古賀氏)
本セミナーでは続いて、マイクロストラテジー・ジャパンの営業部 シニアセールスエンジニアの棟方一成氏が登壇。同社のセルフサービスBI「MicroStrategy」のアプローチを、デモを交えて紹介した。
棟方氏がとくに強調したMicroStrategyの優位性は、「セキュリティとガバナンス」と、「スピード」だ。堅固なアーキテクチャを持つ単一メタデータと、共通部品レイヤーによって、「セキュリティとガバナンス」が担保される。これが他社製品にはない特長だという。
例えば、業務内容やKPIといったルールやロジックの見直しがあった場合、共通部品レイヤーがない他社製品であれば、個々の定義ファイルを書き直す必要があるが、MicroStrategyの場合は、共通部品を1つ変更すれば、全てのダッシュボードやレポートに反映される。一方で、共通部品化されていないデータを素早く取り込んで、ビジュアル化することも可能だ。堅固さと柔軟さ、確実性とスピードという“二律背反”を満たすという。
「複雑なデータ収集もGUIだけで作成することも可能です。SQLを書くより簡単、自由にデータを収集できて、時間が省略できるばかりでなく、結果の精度も担保されています」(棟方氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.