IBM Cloudが大規模な組織や企業のニーズを意識した機能強化を続けている。他のベンダーが同じく東西日本にリージョンを構える中、同社が2021年に向けた戦略として示したのは、独自の技術を生かし、規制が厳しいためにクラウド化が進んでいない業界のニーズにも応えるようなものだ。その内容から見えたポイントは。
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2021年3月2日、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は同社のパブリッククラウド「IBM Cloud」についてプレス向け説明会を開催し、IBM Cloudの機能拡張や最新情報について説明した。その内容からは、今まさに“激戦”といえるクラウド市場において、同社が採ろうとする戦略が見えてきた。
同社の今野智宏氏(執行役員 テクノロジー事業本部 クラウド・プラットフォーム事業部長)は説明会に登壇し、コロナ禍でデジタル化が加速している現状を踏まえ「クラウド(を巡る状況)はまさに第2章に突入したといえるのではないか。よりミッションクリティカルな業務を、オンプレミスやクラウド、エッジコンピューティングを含む、オープンなハイブリッドクラウドで支えていくことが重要と認識している」と話した。
今野氏はIBM Cloudの注力ポイントとして、大規模な組織や企業といった「エンタープライズ」向けのニーズやミッションクリティカルなニーズを挙げた。「オープンなハイブリッドクラウドにより重点を置いて活動していければと考えている」と同氏は話した。
同氏は「既にクラウドに移行されたワークロードは(まだ)全体の20%と言われている。まさにクラウド化はこれからだ」と強調した。
「IBM Cloudは今後、ミッションクリティカルを支えるセキュリティや規制対応を含めて強化する。加えて今後はコンピュータリソースの提供のみならず、(各)業界向けのクラウドをはじめとした投資を継続し、オープンであらゆるパートナーと共創可能な点を追求したい」(今野氏)
今野氏は、IBM Cloudの強みを3つ挙げた。
それは「Enterprise Grade Cloud(基幹システムを安心して動かせる)」「Security Leadership(業界最高水準のセキュリティとコンプライアンスに準拠している)」「Open Hybrid Cloud Services(クラウドサービスをどこでも動かせる)」だ。
この3点を踏まえた上で、日本IBMがクラウド市場のニーズに食い込む戦略とはどのようなものか。
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