
無料で使える勤怠管理システムは数多くありますが、自社に合った選び方が分からず迷っていませんか? 本記事では、初めての方にも分かりやすく、無料で使える主なサービスの特徴や選び方をまとめました。自社に合うサービスを効率よく見つける方法や、無料枠を超えた際の注意点まで詳しく解説します。「まずは無料で手軽に導入したい」という方は、ぜひご参考ください。
機能で比較「勤怠管理システム」おすすめ製品一覧
無料でIT製品選びをお手伝いします
この1ページで解決勤怠管理システムの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイントは? おすすめ54製品をタイプ別に比較
目次
無料で勤怠管理を行う主な方法
勤怠管理とは、従業員の出退勤時刻や残業時間を正確に記録・管理することです。勤怠管理システムやタイムカード/タイムレコーダーなどを活用して行うのが一般的です。では「無料」をテーマに、できるだけコストをかけずに勤怠管理を行うにはどんな方法があるでしょうか。主な方法は以下の通りです。
オススメ無料の勤怠管理システムを利用する
無料で使える勤怠管理システムは、昨今主流であるクラウド型/SaaS型製品を例に大きく分けると以下の2つがあります。
- 無料プランを用意し、特定の条件を満たせば月額利用料などもなしに、無料で使えるもの
- 無料トライアルを用意する製品
無料の勤怠管理システムで利用できる主な機能として、打刻機能、データの自動集計・出力などが挙げられます。無料プランと無料トライアルの違いについては後述します。
ICカード打刻機、PC、スマートフォンなどで従業員が入力した勤怠情報をシステムに取り込み、労働時間や残業時間、出勤日数を集計することで、従業員の勤怠状況の一元管理が可能になります。従業員の勤怠情報を軸に、予実管理(人件費などの計算)、有休・残業申請や管理、給与計算、人事管理といった他のシステムと連携できるツールもあります。
△Excelで勤怠管理表を作る
Microsoft Excel(エクセル)などの表計算オフィスソフトウェアを用いて「勤怠管理表」を作成することでも、無料で勤怠管理ができます。エクセルでは関数やマクロを活用して管理表のベースを作成し、運用します。なお、勤怠管理表のベースはWebで無料公開されているExcelテンプレートを活用してしまうのも手軽な方法です。
エクセル管理は「デジタルデータ」として記録すること、「計算しやすい」ことが利点です。一方で、手作業となる工程の多さが課題として挙がります。記入ミスや転記ミス、“その人にしかできない”といった属人化のリスクを解消しにくく、柔軟に運用できるがゆえにデータの一元化、その後の活用にもやや制限があります。確実性の向上と業務効率化に向けた課題は根深く残ります。
「Excelで実施する勤怠管理の仕方」についてはこちらの記事も参照ください。
参考勤怠管理をExcelで行う方法|「無料」で勤怠管理表を自作する手順とポイントを詳しく解説
△○グループウェアに付属する機能を活用する
スケジュールや業務の情報共有やコミュニケーションに活用する業務用グループウェアを導入している企業も多いでしょう。グループウェアに付属する機能を活用することでも無料で勤怠管理ができる場合があります。既に目的を満たす機能を備えたツールを活用しているのであれば、すぐ、大きな出費なく対策できる手段となるでしょう。
グループウェア付属の勤怠管理機能では多くの場合、「出社」「外出」「戻り」「退社」などの一般的な打刻データを記録・集計できます。月、年ごとの就業実績集計や、CSVでデータをダウンロードして他のシステムへ連携できるものもあります。
一方で、業務用グループウェアそのものは多くの場合「有料」で、勤怠管理の機能を使うにはオプションとして追加コストが発生することも多くあります。また、グループウェアは全社的に導入することが多いため、設定や管理には同じく多くの場合、IT部門や情シス部門が関わり、運用していくことになります。「無料」の観点ではややハードルが高くなることが多いと言えます。
×タイムカードから手作業で転記・集計する
タイムカードやタイムレコーダーを用い、月末に手作業で転記し集計する方法。これも基本無料で行える勤怠管理方法です。ノートに勤怠管理表を書き、タイムカードから出退勤情報を転記し、労働時間や残業時間を集計します。
もっともこの方法は、手間と時間がかかる「旧来の方法」であるのはご存じの通りです。目に見えやすい月額利用料や開発費のようなコストこそ発生しませんが、昨今、会社として管理すべきと求められている勤怠管理を行うには、とても高い壁がいくつもあります。「会社、管理側」の視点で例えば以下が挙げられます。
- 勤務時間の集計は「締め後(月末など)」しかできない
- 残業や休日出勤など時間外労働の判別が難しい
- シフト表で計画されている所定労働時間や出勤日と照らし合わせながら、手作業/目検で計算・集計を行う必要がある
- 会社として、従業員の労働日数や時間外労働時間などの労務状況を把握できない
- 「紙」の物理的な経費、保管管理コストは発生し続ける
この業務に時間や手間が過度にかかれば人件費に響きますし、この作業に管理者やマネージャー、担当者が忙殺されることで売上機会、ビジネスチャンスを失う可能性もあります。記載ミス、転記ミスなどのヒューマンエラーが発生する可能性、不正打刻などの可能性、メンタルヘルス対策や労働関連法順守のような会社・従業員双方の労働環境を守るための対応がおそろかになる課題が根強く残ります。
人的エラー・時間・コストの増加、法令順守のリスク、効率的な自動化ツール/システムの普及を理由に、このようなアナログ方法から、デジタル型方法/勤怠管理システムなどへの早急な移行が勧められます。
無料で使える勤怠管理システム早見表
無料プランを用意する勤怠管理システム
| サービス名 | 人数上限 | データ保存期間 | 打刻方法 | 申請・承認 | CSV出力 | サポート | 広告表示 | 無料終了後の扱い |
| Teasy | 5名 | 少なくとも5年 | Web打刻(GPS含む)、Slack、IC(Android)など | あり | あり | メール、FAQ | なし | 6名以上で有料プランへ(月額300円/人~) |
| 笑顔レコーダー | 要確認 | 要確認 | 要確認 | PCブラウザ(写真撮影機能付き) | あり | あり | 柔軟なカスタマイズ対応 | 40日間 |
| ジョブカン勤怠管理 | 10名 | 過去30日より前は閲覧・DL不可 | PC/スマホ、ICカード、指静脈認証、LINE・Slack打刻 | 一部制限あり | 一部制限あり | メール/電話 | なし | 有料申請しない限り課金なし(制限付きで継続) |
| スマレジ・タイムカード | 30名 | 制限なし | Web/アプリ、顔認証 | あり(申請管理) | なし(CSVは上位プラン) | チャット/メール | なし | 31名以上やCSV等が必要なら上位プラン検討(月額1210円/人~) |
| ハーモス勤怠by IEYASU |
30名 | 1年間 | PC/スマホアプリ(iOS・Android) | 一部機能制限あり | 制限あり(1時間に1回) | マニュアル/FAQ中心 | あり | 31名以上は有料プラン検討(月額110円/人~) |
無料トライアルを用意する勤怠管理システム
| サービス名 | トライアル期間 | 利用人数 | データ保存期間 | 打刻方法 | 申請・承認 | CSV出力 | サポート | 広告表示 | 無料終了後の扱い |
| Kincone | 最大2カ月 | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | ICカード、Web/アプリ、Slack/Chatwork、GPS | あり(ワークフロー) | あり | トライアル期間中はサポートセンター利用可 | なし | 支払い設定が必要(自動課金なし、月額200円/人~) |
| 勤労の獅子 | 30日間 | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | Web、スマホ、ICカード、指静脈、顔認証、LINEWORKS | あり(ワークフロー、5階層承認) | あり | 専任の勤怠コンサルタントがサポート | なし | 自動課金なし(月額150円/人~) |
| e-就業OasiS | 30日間 | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | ブラウザ、PCログオン・ログオフ、タイムレコーダー、ICカード、顔認証、スマホ | あり(届出申請・承認機能) | あり | トライアル期間中もサポートあり(平日9:00〜18:00) | なし | 自動課金なし |
| MOT勤怠管理 | あり(期間は要確認) | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | PC、スマホ、顔認証、Wi-Fi、二次元コード、ドア開錠連動 | あり(チャットで承認可能) | あり | 電話サポートあり | なし | 自動課金なし(月額150円/人~、20名まで3980円) |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | 1カ月 | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | PC、スマホ、ICカード、GPS打刻 | あり(ワークフロー) | あり | トライアル期間中も利用可能 | なし | 契約状態は「未契約」に戻る(自動課金なし、データは保持) |
| ジンジャー勤怠 | 1カ月 | 制限なし | トライアル期間中は利用可能 | PC、スマホ、タブレット、ICカード、GPS、ChatWork/Slack | あり(ワークフロー) | あり | トライアル期間中は営業担当がサポート | なし | 設定は引き継がれる(自動課金なし、月額400円/人~) |
無料の勤怠管理システムでよくある疑問
無料の勤怠管理システム導入を検討する際、以下のような疑問をお持ちになるかもしれません。よくある疑問と答えを解説します。
Q:「ずっと無料(無料プラン)」と「無料トライアル」の違いは?
A:「無料プラン」は、製品の料金プランの中で、利用条件(主に人数や機能制限)の範囲ならば料金が発生しない、無料で利用できるプランのことです。たとえばTeasyやハーモス勤怠は、利用人数の上限を超えなければ無料のまま使い続ける月額無料プランを用意しています。
無料プランが用意されている主な理由は、ユーザーに実際の操作性を体験してもらい、その有用性を納得した上で有料版へステップアップしてもらうための「エントリーモデル」としての役割があるからです。一定の条件とは、利用できる機能が基本的なものに限られる/利用できるユーザー数に制限がある/保存できるデータ数に制限がある/保存期間に制限がある/広告が表出するなどがあります。
「無料トライアル」は、製品の全機能(あるいは一部の機能)を一定期間(1カ月、30日間など)無料で試用できるメニューのことです。無料トライアルによって、操作感や機能の使い勝手を実際に体験できます。具体的に使うことで製品が自社の要求を満たしているかどうかをより評価しやすくなります。
無料トライアルには、期間終了後はアカウントが削除される/一次停止となる(使えなくなる)、あるいは無料プランで利用できる範囲の機能に制限が課される(無料プランなどに移行する)、自動的に有料契約へ移行するといったパターンがあります。トライアル終了後にどうなるかは必ず確認しておきましょう。
これらの条件・制限を理解した上で、その範囲で使えると判断できるならば無料プラン、あるいは無料トライアルで「無料の範囲で試験的にスモールスタート」し、システムの機能や効果を検証したいといったシーンにとても適しています。遠慮なく活用していきましょう。
無料枠を超えた際の動作確認
- 人数/機能制限を超えた瞬間に「自動で有料化」するか、「手動切替」か
- 無料終了後に「データ閲覧・出力ができるか」「消えるか」「引き継げるか」
- 解約方法/データエクスポート(CSV等)手順を事前に確認
人数上限や機能制限を超えた場合、自動で有料プランへ移行するサービスと、管理者による手動切替が必要なサービスがあります。
無料期間終了後にデータがどうなるか(引き継ぎ可能か、消去されるか)も確認が重要です。無料のままではデータにアクセスできなくなるケースもあります。
解約やデータエクスポートの手順も事前に把握しておくと安心です。
無料の勤怠管理システムが向いている企業/向いていない企業
無料プランの勤怠管理システムは、従業員数が少なく、シンプルな勤怠管理を求める小規模事業所や、まずはシステム化を試してみたい企業に特に向いています。人数や機能の制限内で運用が完結する場合には、コストをかけずに勤怠管理のシステム化を推進できます。
一方で、複雑なシフト管理や複数拠点の一元管理、厳密な法令対応や外部システムとの連携が必要な中堅以上の企業や、将来的に人員や管理項目が増える見込みがある場合は、有料サービスも含めて慎重に比較・検討することが大切です。
無料の勤怠管理システムを選ぶ際のポイント
- 人数上限と入れ替えルール
- データ保存とバックアップ運用
- 打刻方法で選ぶ
- 申請・承認、アラート、36協定の管理
- セキュリティ・権限管理
無料の勤怠管理システムを選定する際には、いくつかの重要な観点があります。
まず「無料条件の把握」が必要です。多くのサービスが「〇名まで無料」「一定期間のみ無料」など条件を設けているため、これを把握しておかないと後で有料プランへ自動移行したり、追加費用が発生することもあります。
また、従業員数の変動や入社・退職時にどういった対応ができるかも重要です。さらに、普段の打刻・申請・承認フローが自社の運用とマッチするかどうかの確認も不可欠です。
どんなに高機能なシステムでも、実運用で使いにくければ定着しません。自社の実態に合った、管理しやすいシステムを選びましょう。
人数上限と入れ替えルール
無料で利用できる人数枠はサービスによって差があります。たとえば、5名や10名まで無料、30名まで無料などさまざまです。多くの場合、この「無料人数枠」を超えると自動的に有料プランへ移行する仕組みになっています。
また、退職者が出た場合にその枠を新規社員と入れ替えできるかどうかもサービスごとに異なります。一部サービスでは、無料人数枠を常に維持できるように、退職後は新たなアカウントへ差し替え可能です。
しかし、アカウント数でカウントしている場合は過去の登録人数も含めて判定されるため、入れ替えができないケースもあります。
導入前に必ず、このルールについても公式情報で確認しておくことをおすすめします。
データ保存とバックアップ運用
勤怠データの保存期間はサービスごとに大きな差があります。無料プランでも「30日」「1年」「5年」など保存期間に上限が設けられているケースもあれば、無制限で保存可能なサービスも存在します。
保存期間を過ぎると自動でデータが削除される場合もあるため、必要なデータは定期的にバックアップしておく運用が重要です。また、CSV形式でのデータ出力機能があるかも確認ポイントです。CSV出力が可能であれば、ローカルや社内サーバーなどで自前のバックアップ体制を構築できます。
自社の就業規則や会計監査の要件に応じて、どのようにデータ保管するかあらかじめ運用ルールを決めておくと安心です。
打刻方法で選ぶ
打刻方法のバリエーションも、選定時の大きな基準になります。PCからの打刻だけでなく、スマホやICカード、さらに顔認証やチャット、GPS打刻など、多様な方式を用意しているサービスが増えています。
オフィス勤務が中心ならばPCやICカードでの打刻が便利ですが、現場や外出先が多い企業、あるいは業務シーンではスマホやGPS打刻も重宝されます。
また、ICカードや顔認証などの非接触型は、不正防止、あるいは感染症対策などにも効果的です。実際の勤務形態や従業員の使いやすさを考え、必要な打刻方法が対応しているサービスを選ぶと運用がスムーズになります。
申請・承認、アラート、36協定の見方
勤怠管理システムには、残業や有給休暇の「申請・承認」機能が備わっていることが一般的です。しかし、無料プランの場合、一部機能に制限があることも多いため注意が必要です。たとえば申請はできても、承認側はWebのみ可といったように、スマホアプリでの制限が設けられている場合があるかもしれません。
加えて、36協定に関するアラート通知や残業超過の自動通知機能にも着目しておきましょう。法令遵守にも大きく役立つことから昨今特にニーズが高まっています。
無料プランでどこまで自動通知やアラートが使えるかは各サービスごとに異なりますので、必要機能の有無を事前に確認することが重要です。
セキュリティ・権限管理
勤怠データは個人情報を含むため、セキュリティ面の確認も欠かせません。システム上で権限分けができるか、つまり一般社員・管理者・経営者など役割ごとに閲覧・編集範囲を設定できるかどうかを確認しましょう。
また、パスワード管理やアクセスログの記録、特定IPからのアクセス制限、外部認証(GoogleアカウントやMicrosoftアカウント連携等)に対応しているかどうかも、無料プランで実現できるかサービスごとに違いがあります。自社で安心して使える環境が用意されているか、公式のセキュリティ情報やヘルプで事前にチェックしておくと安心です。
勤怠管理システムを選ぶ際の3ステップ
勤怠管理システムの選定では大まかに分けて3つのステップがあります。それぞれ「業務課題の洗い出し」「無料システムで試験運用」「有料プランへのアップグレード判断基準」です。これらを順に解説します。
業務課題の洗い出し
まず始めに行うべきは、自社における業務課題の洗い出しです。具体的には、現状の勤怠管理で何が大変か、何時間の手間がかかっているか、法令違反のリスクがどの程度あるのか、などを見つけ出すことが重要です。これにより導入するシステムでどのような問題を解決すべきなのかが明確になります。具体的な実行方法は「要件定義の実施方法と考え方」もぜひ参照ください。
無料版(無料プラン/無料トライアル)システムで試験運用
次に、無料版の勤怠管理システムで試験運用してみましょう。無料版ならではのメリットを最大限に活用しながら、必要な機能の確認や操作感の把握を行います。無料プランでも、「出勤・退勤の打刻管理」「基本的なレポート作成」など、必要最低限の機能は揃っています。これらを活用し、システムが期待通りの効果をもたらすかどうかを確認しましょう。
おすすめIT製品の「無料版」は、なぜ無料なのか、どこまで無料で使えるのか
有料プランへのアップグレード判断基準
最後に無料プランの運用を通じて得られた使い勝手・情報を基に、有料プランへのアップグレードを検討します。以下の3つの観点が重要となります。
- データ保存期間の不足解消:労働基準法により、勤怠データは5年間保存する義務があります。無料プランでは保存期間が短いものが多いため、この要件を満たすためには有料プランへの移行が必要となることがあります。
- 従業員数の増加:無料プランにはユーザー数の制限があります。ユーザー数が増えた場合、即座に有料プランへ移行できるよう計画しておきましょう。
- サポート体制の強化:無料プランでは、サポートがメールのみや、そもそも提供されないことがあります。勤怠管理システムの運用には、疑問点の解消やトラブル時の対応など、適切なサポートが必要となります。
無料プランのある勤怠管理システム4選
先述のとおり、無料で利用できる勤怠管理システムには、「特定の条件を満たせば、期間を問わずに完全無料で使えるもの」と「無料トライアル期間があるもの」の2種類があります。まずは無料プランのある勤怠管理システムのおすすめ5製品(製品名 abcあいうえお順/2026年1月時点)を紹介します。

























