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» 2004年04月13日 07時54分 公開

LifeStyle Weekly Top10(4月4日〜4月10日):コピーワンス放送に対する、ちょっとした疑問

著作権を保護し、引いてはコンテンツビジネスそのものを守るためのコピーワンス放送。しかし、その導入が時期尚早だったと感じるのは私だけだろうか?

[芹澤隆徳,ITmedia]

LifeStyle Weekly Top10 4月4日〜4月10日

1位 「ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ」――“金田バイク”が参考出展
2位 コピーワンス放送本格化、各社レコーダーの対応度
3位 “真っ赤な近未来バイク”の実走行映像をスクープ! ただし……
4位 sambaなビートの「gigabeat G21」
5位 DivX再生対応で実売2万円のポータブルビデオプレーヤー
6位 100%正しいビデオカメラ論
7位 「Winnyを使っているな、50万円支払え」 JASRACをかたる架空請求に注意
8位 EDEX2004にみる“これからのテレビ”
9位 動画/音楽を自宅で転送、地図は実写並み――ソニーが着脱式HDDナビ
10位 iPodには真似できない「HDD交換」――マイクロドライブ対応MP3プレーヤー「WithC」

 先週のトップは、先々週に引き続き“金田バイク”。編集部には海外からも「オーダーしたい」「どこで買えるのか?」などというメールが届き、「AKIRA」人気を再確認した次第だ(注:ITmediaでは販売しておりません)。元ライダーの担当記者もご満悦で「ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ」と返信したとか、しないとか。

 さて、このままでは先週のトップ10と同じネタになってしまうので、第2位のコピーワンス放送を取り上げたい。ここで考えてほしいのは、画質と利便性がトレードオフの関係にあるという点だ。

 デジタル放送のコピーワンス化は、著作権保護に対する重要なアプローチだ。放送局をはじめ、コンテンツホルダー各社は積極的に取り入れている。海賊版の横行はコンテンツビジネス自体を危うくするため、彼らが自衛手段に訴えるのは当然だろう。

 しかし、画質の向上と反比例して利便性が失われていくという現状はいかがなものだろうか。たとえば録画機能付きのパソコンのように、昨日まで使えていた便利な機材が、デジタル化された途端、役に立たなくなることもある。ハイブリッドレコーダーにしても、先週の記事で取り上げたようにコピーワンスへの対応には差がある。承知の上で導入するなら問題ないが、こうした点が周知徹底されているとは決して思えない。

 たとえば、筆者の身近なところでも、こんな事例があった。ある女性が最近できた公団住宅に引っ越したのだが、その住宅にはBS/CS110のアンテナしか設置されていなかった。もともとスカパー!ユーザーの彼女は、仕方なく「スカパー!2」に加入したものの、困ったのが録画環境。彼女はパソコンをビデオ代わりに使っていたのである。

 そんな事情を知らない彼女は、パソコンメーカーや公団に問い合わせ、ようやく自分が置かれた状況を知る。しかし、なにかと物いりな引っ越し直後。新しい録画機を購入するような余裕はない。結局、古いVHSデッキを押し入れから引っ張り出し、最新のデジタルチューナーに接続している次第だ。涙なくして語れないエピソードである。

 著作権保護をかかげ、コピーワンス化を推し進めてきたコンテンツホルダー。しかし、こうした善良な一般視聴者にとって、海賊行為など関係ないことを忘れているのではないだろうか? 一般視聴者にしてみれば、コピーワンス化によって、それまで便利に使っていた機能が使えなくなるわけで、これは単なる“とばっちり”だ。少なくとも、録画環境や視聴者に対する情報提供という点で配慮に欠けていたことは否定できないだろう。

 著作権を保護し、引いてはコンテンツビジネスそのものを守るためのコピーワンス放送。しかし、その導入経緯と現状を考えると、あまりに拙速で、乱暴だったという印象を拭えない。

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