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松下が「DIGA」秋モデルを発表〜2番組を「どっちも録り」

» 2004年09月08日 17時26分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 松下電器産業は9月8日、DVDレコーダー「DIGA」シリーズの新製品ラインアップを発表した。2つのチューナーとMPEGエンコーダーを搭載し、裏番組の同時録画を可能にする「どっちも録り」2機種をはじめ、ネットワーク対応のハイエンドモデルなど計5機種が新登場。Blu-rayレコーダーなど4製品は販売を継続するため、計9機種のラインアップとなる。

 「幅広いユーザーニーズに応える、パナソニックAV市場最強のラインアップだ」(松下電器産業常務役員 パナソニックマーケティング本部の牛丸俊三本部長)。

 牛丸氏はまず、DIGAの国内販売累計台数が150万台を突破したことを明らかにした。さらに2004年をDVDレコーダー本格普及の年であると改めて位置づけ、いわゆるアナウンス効果により今後も急速な普及が期待できるとしている。「新・三種の神器といわれるデジタル家電の中でも、DVDレコーダーの人気はとくに高い。今年は350万台の出荷が予想されており、世帯普及率は15%に達するだろう」(同氏)。

photo DIGAの国内販売累計台数は150万台を突破
photo 赤い部分がDVDレコーダー

 同社はDVDレコーダーの国内市場で35%のシェアを握るトップランナーだが、牛丸氏は「40%超を狙いたい」と強気だ。春モデルは、あくまでも一般ユーザーにフォーカスしていたが、今回はバラエティに富んだ商品構成とし、PCユーザーやハイエンドAVユーザーまでを含めたあらゆるユーザー層に訴求していく構え。

 新製品の概要は下記の通り。

製品名 概要 発売日 店頭予想価格(オープンプライス)
DMR-E87H ハイブリッド型「DMR-E85H」の後継機。160GバイトHDD搭載 10月1日 8万5000円前後
DMR-E250V 「DMR-E150V」の上位モデルにあたる“3 in 1”モデル。160GバイトHDD搭載 9月21日 12万3000円前後
DMR-E220H 「どっちも録り」下位モデル。160GバイトHDD搭載 10月21日 11万円前後
DMR-E330H 「どっちも録り」上位モデル。250GバイトHDD搭載 10月21日 13万5000円前後
DMR-E500H モバイル&ホームネットワーク対応のフラグシップモデル。400GバイトHDD搭載 9月21日 18万8000円
3 in 1の「E150V」、VHS一体型の「E75V」、DVD単体の「E55」、Blu-rayレコーダー「E700BD」は継続モデル。計9機種のラインアップだ
photo 5機種の新製品を説明する松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社、ネットワーク事業グループホームAVビジネスユニットDVDレコーダーカテゴリーのカテゴリーオーナー、河村一郎氏

8倍速ドライブを搭載

 “3 in 1”モデルの上位機となる「DMR-E250V」は、HDD容量の拡大が主な変更点だ。HDDは160Gバイトで、HDD/DVD/VHS相互の“ワンタッチ6WAYダビング”、VHSの録画予約にも対応するEPG、S-VHS品質のダビングといった特徴はそのまま引き継いでいる。

photo 「DMR-E250V」

 一方、「DMR-E85H」の後継となるHDD&DVDハイブリッドレコーダー「DMR-E87H」は、8倍速ドライブが唯一の変更点だ。このドライブは、DVD-Rへの書き込み8倍速、DVD-RAMの書き込み5倍速に対応したもので、DVD-R使用時のダビング速度は最大64倍速(8倍速対応メディア使用時、EPモード時の理論値)、DVD-RAMは最大40倍速となる。「EPモードで録画した1時間番組なら、DVD-Rに56秒でダビングできる」(同社)。なお、この8倍速ドライブは、「DMR-E250V」を除く4機種すべてに採用されている。

photo メディアの内周と外周では書き込み速度が異なるため、それぞれに最適な記録条件を学習し、記録速度を切り換える「zone CLV記録」という新機能を搭載した
photo 「DMR-E87H」
型番 DMR-E87H DMR-E250V
概要 HDD&DVD HDD&DVD&VHS
HDD容量 160Gバイト☆2☆
DVD DVD-RAM/-R☆2☆
地上波チューナー 1 2
EPG ○☆2☆
野球延長対応 ー☆2☆
MPEG-4録画 ー☆2☆
ネットワーク対応 オプション☆2☆

野球延長にも対応した「どっちも録り」2機種

 どっちも録りは、東芝の「W録」と同様のアプローチといえる。2つの地上波チューナーと独立したMPEGエンコーダーを持ち、同時に放送されているテレビ番組をHDDへ同時に、もしくはHDDとDVD-RAMに同時記録可能(DVD-Rへの直接録画は非対応)。250GバイトHDDを搭載する「DMR-E330H」と160Gバイトの「DMR-E220H」が用意された。

photo 250GバイトHDDを搭載する「DMR-E330H」
photo どっちも録りの構成図。

 同時に、映像の動きや複雑さに合わせて圧縮率を効率よく制御する「新・リアルタイムVBR」(QR制御)を新たに付加。また、2つのエンコーダー間に生じる干渉を排除するため、専用のPEG-ICで電源を独立構成としたほか、CLK制御回路も完全に分離しているという。「チューナーはもちろん、DIGAエンジンや電源も独立して搭載している。あたかも1台のDIGAに2つのレコーダーが存在しているかのように動く」。

photo 「どっちも録り」に含まれる3つの新技術
型番 DMR-E330H DMR-E220H
概要 HDD&DVD(どっちも録り)☆2☆
HDD 250Gバイト 160Gバイト
DVD DVD-RAM/-R☆2☆
地上波チューナー 2☆2☆
EPG ○☆2☆
野球延長対応 ○☆2☆
MPEG-4録画 ー☆2☆
ネットワーク対応 オプション☆2☆
photo 160Gバイトの「DMR-E220H」

 もう1つの大きな特徴は、野球放送などの延長に対応したこと。たとえば、予約したドラマなどの前に野球中継があるとき、EPGの番組情報から「最大延長9時23分」などの文字列を拾い出し、自動的に録画時間を延長してくれる。録画予約の確認画面では延長時間なども確認可能だ。なお、延長時間は、あらかじめ30分もしくは1時間を指定しておく(デフォルト設定は1時間)。

photo タイマー予約画面。右下に延長時間が表示されている

 このほか、PCカード/SDカードスロットも搭載している。デジカメやD-Snapで撮影したJPEG画像などをHDDやDVD-RAMに保存できるほか、テレビ画面でスライドショー表示も可能だ。ただし、SD動画(MPEG-4)録画する機能は持っていない。

異色のハイエンドモデル?

 今回のラインアップの中で異彩を放っているのが「DMR-E500H」だ。ブロードバンドレシーバの機能にくわえて、ホームネットワーク内にあるパソコンやほかの「DMR-E500H」に動画やJPEG画像を配信する機能を搭載している。条件が揃っていれば、コピーワンス番組も配信可能だ。

photo 「DMR-E500H」。HDD容量は400Gバイト。

 なお、「DMR-E500H」の詳細については別途記事を掲載する予定。

型番 DMR-E500H
HDD 400Gバイト
DVD DVD-RAM/-R
地上波チューナー 1(GRT)
アナログBSチューナー
EPG
野球延長対応 ×
MPEG-4録画
ネットワーク対応

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