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ビクター“D-ILAでフルHD”のリアプロTV――今秋70型/61型を発売2005 International CES

» 2005年01月09日 14時39分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ビクターはフルHD(1920×1080ピクセル)表示に対応したリアプロTVの新製品「HD-70FH96」(70インチ)、「HD-61FH96」(61インチ)を発表、CESの同社プライベートブースにて展示を行っている。製品は今年秋には発売される予定で、価格は未定だが希望小売価格は「HD-70FH96」が9500ドル、「HD-61FH96」が6500ドル程度になる見込み。

photo フルHDに対応する70インチリアプロ「HD-70FH96」。「展示品は量産試作機にも到達していないレベル。画質についてはまだ向上する」(同社)
photo HD-70FH96の側面

 表示デバイスには同社独自のLCOS「D-ILA(Direct-Drive Image Light Amplifier)」(0.7インチ)を3つ搭載する。D-ILAは画素ピッチや画素間のギャップが小さいため、画面上に画素がほとんど目立たない“なめらかな映像感”を得られるという。ランプは110ワットで、寿命についても「既存製品と変わらないレベルを実現している」(同社)。

photo 視野角はかなり広く、横から見てもはっきり見える

 同社は2003年8月にD-ILAの量産体制を確立、1.7インチ(3840×2048ピクセル)、0.8インチ(1920×1080)、0.7インチ(1280×720)の3サイズで量産を開始しているが、今回利用されているD-ILAは0.7インチでフルHDを実現している。同解像度でのデバイスのサイズダウンは、量産化時のコストダウンに大きく貢献する。新製品では、解像度の向上に対応するために完全な新設計になっているという。

 「HD-70FH96」「HD-61FH96」と同時に、パネルの解像度は1280×720ピクセルながらも価格を抑えた「HD-70G886」(70インチ)、「HD-61Z886/786」(61インチ)、「HD-56G886/786」(56インチ)、「HD-52G886/786」(52インチ)も投入する。これら4製品は今年3月から順次発売される予定で、希望小売価格は70インチが約7999ドル、61インチが約4999ドル、56インチ約4699ドル、52インチが約4299ドル。なお、今回発表された6製品にはすべてデジタルチューナーが内蔵されている。

photo HD-70G886

 画素型ではLCOS(D-ILA)/3LCD/DLPと3方式が入り乱れるリアプロTVだが、同社では「能力的に劣っているところは何ひとつない」とD-ILAに自信を見せる。ただし、D-ILAのデバイス生産は自社のみで行い、6社がグループ(3LCD Group)を結成した3LCDや、Texas Instrumentsの資本をバックにしたDLPに比べると生産・供給能力には不安が残る。

 同社では現在月産1万台の生産能力を、横須賀工場に約40億円を投資した新ラインを設置することで今年夏には生産能力を3倍にまで引き上げる計画を立てており、拡大する需要に対応できると自信を見せている。

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