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MDコンポの顔から“映画音響”――ビクター「NX-DV3」レビュー:フロントサラウンド特集(3/3 ページ)

» 2005年01月25日 00時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 試しに、音楽を「WIDE/2ch MUSIC」や「SUPER WIDE」でも聴いてみたが、どうにもしっくりこない。単に響きが加えられているだけにしか感じられない。しかも、この製品ではメインスピーカー2本がしっかり鳴るので、ことステレオ再生に関しては、サラウンドスピーカーのアシストを得なくても十分に聴き応えがある。つまり、「AUTO SURROUND」を選んでおくのが正解だ。

 パターン1でスピーカーを設置し、DVDで映画を鑑賞してみたところ、ドルビーバーチャルと同程度の方向感が得られた。そのうえ、センター位置から出力がある分、当然ながらセリフが定位しやすい。全体にかなり聴きやすい印象だ。パターン2やパターン3も試してみたが、バランスの点で、やはりパターン1が秀でている。

 低音に関しては、AHB PRO(Active Hyper Bass PRO)がデフォルトでオンになっていた。いわゆる低音増強回路だが、小音量時はもちろん、ボリュームを上げても低音が変に目立つことはなく、意外と自然な響きに感じる。個人的にはこの手の低音強調は苦手なのだが、この製品の場合は常にAHB PROをオンにしておいたほうが、むしろいいと思う。

 まったく見たままでもうしわけないのだが、この製品はやはり、まず、MDコンポの購入を考えていて、サラウンドにも興味があるという人に適した製品といえる。バーチャルながら、意外と効果のある映画音響が楽しめるうえ、低価格製品のわりには音質のいいメインスピーカーで(その分、サラウンド用スピーカーのチープさが際立つともいえるが……)、音楽を聴くのにも申し分ない。

 そのほか、ディスクに記録されたMP3/WMA音声やJPEG静止画ファイルの再生にも対応するが、意外と制限が多いため(ISO9660フォーマットのCD-R/RWのみ読み出し可能。また、ビットレートやデータ形式も限定される)、おまけ程度と捉えたほうがよさそうだ。

 低音に力不足を感じるなら、サブウーファーを別途導入すべきだが、最近発売された上位機種「NX-DV5」はサブウーファー込みの構成なので、最初からそちらを検討するのもいいだろう。

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