新製品のうちJ5000シリーズはこれまでの8bitパネルではなく、10bitパネルを採用することで、階調表現を256階調から1024階調にアップさせている。内部処理も10bit以下では処理しない設計とすることで、朝日が昇るシーンなど等高線上の疑似輪郭が発生しやすい場面でのグラデーションを滑らかに表現する。
ただ、現在一般に流通しているコンテンツに限れば10bit記録されたものはさほど多くない。J5000シリーズもパネル自体は10bitの表現力を持つが、8bitで入力されたソースに対しての補完機能は搭載しておらず、ソースが10bit記録されていなければ意味がない。
新製品は画面サイズとして20V/26V/32V/40Vが用意されているが、いずれも解像度は1366×768ピクセルのワイドXGA。シャープは新製品と同様にスタンダードタイプと位置づける「AQUOS Gシリーズ」で、32VからフルHDモデルを用意している。
モーションフローのフルHD化が現段階ではコスト面からの制約で難しいという制約はあるとしても、新製品でスタンダードタイプの充実を図るという意向がある以上、フルHDモデルがないのは不思議にも思える。
「確かにフルHDモデルの拡充を求める声があることは理解していますが、画面サイズがある程度大きくないと開口の低下による明るさの低下を招くなど、“フルHDのデメリット”も存在します。ニーズがどれだけあるかを見極めてからです」(同社)
BRAVIAは全シリーズに渡って描画エンジンとして「ブラビアエンジン」を搭載している。ほかの色に影響を与えることなく、特定の色(特に緑/青/白)を鮮やかに表現することが可能となっているほか、MPEGノイズリダクションや最適なコントラストバランスを自動検出する「コントラストエンハンサー」などを備える。
新製品もこのブラビアエンジンを搭載するが、既存モデルとまったく同一という訳ではなく、バージョンアップが施されている。大きな機能変更や追加ではなく、「バージョンナンバーで言えばコンマいくつ」(同社)というこまかなアップデートだそうだが、ブラビアそのものがスタートして1年半が経過し、得られた情報による各種のフィードバックが行われているそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR