GUIは、ゲーム機やレコーダーでもお馴染みのXMB(クロスメディアバー)だ。横軸にジャンル、縦軸にコンテンツを並べるスタイルで、リモコンの方向&決定キーだけでほとんどの機能とコンテンツにアクセスできるのがメリット。たとえば横軸の地上デジタル放送に合わせると、縦軸に地デジの放送局が並び、選択した局に関しては放送中の番組名や放送時間も参照できる。
電子番組表は,黒を基調としたシンプルなデザインで、基本的に番組名だけの表示となる。番組内容の一部まで盛り込む他社製品に比べると情報量は少ないものの、番組をジャンルごとに色分けする機能などもあり、逆にシンプルで見やすく感じる場面が多いのも事実だ。もちろん番組内容の詳細画面は別途用意されているほか、キーワードによる番組検索や、外部機器との連携による録画予約(AVマウス使用)も可能だ。
また、放送画面を視聴しつづけながら裏番組を物色できる「現在番組表」も特徴の1つ。現在番組表は、テレビ画面の下半分を使い、直近1〜2時間の番組表を表示するというもの。視聴中の番組を妨げることなく、手軽に他局中の番組を確認できるため、通常のEPGを起動するよりも手軽に使える。ザッピング派には嬉しい機能といえるだろう。
ネットワーク関連の機能が充実してJシリーズの特徴だ。テレビ用ポータルサービス「アクトビラ」は、Webブラウザを全画面表示するタイプのサービス。郵便番号などを登録すると居住地域のピンポイント天気予報などを手軽に閲覧できるほか、ニュースやオリジナルの記事など、データ放送とは少し違うコンテンツを楽しめる。
ただ、アクトビラはブラウザを全画面表示するため、テレビを見ながら情報をチェックしたい時には不向きだ。そこでソニーが考えたのが「アプリキャスト」。アプリキャストは、Windows Vistaのガジェットに似た使い方ができる小さなアプリケーション。現在は天気予報やニュース、占いなどが提供されており、ユーザーは同社のサーバから好きなアプリキャストをダウンロードして使用できる。インターネットに常時接続していると、新作アプリが登場するとXMB上で確認できるので、これを登録して画面右側に並べておけばいい。たとえばヤフーオークションの場合、気になる商品の詳細を表示したり、内蔵ブラウザや携帯電話(画面内のQRコードを使用)を使ってオークションに参加することも可能になっている。
少し気になったのは、商品のチョイスに関して。ヤフーのインタビューによると、人気検索キーワードランキングなどで検索頻度の高いキーワードをもとに自動選択される仕組みのようだが、初回起動時にいきなり“きわどい”感じのフィギュアが出てきて目が点になった。もし家族で見ていたら、妙な空気が流れそうな場面。やはり何らかのフィルタリングは必要かもしれない。
このほか、DLNAガイドライン準拠のネットワークプレーヤー機能「ソニー ルームリンク」がある。今回は試用環境の都合で検証できなかったが、たとえば個室や寝室に同機を置いたとき、リビングルームにあるレコーダーで録画した番組を視聴したり、PCのHDDに記録したデジカメ画像や音楽を再生するといったことが可能になる。登録したサーバはXMBにマウント(表示)され、放送などと同様に扱えるのも魅力だろう。
数年前は、画面が小さいぶん低価格というイメージがあったパーソナルサイズのテレビだが、最近はバリエーションが広がり、個性のある製品が増えてきた。「KDL-26J3000」はそうした市場動向を象徴するような高機能なテレビであり、とくにPCユーザーには親しみやすい付加機能が豊富だ。そうしたニーズを持っている人たちにとっては“ツボにはまる”製品といえるし、テレビ購入を機にホームネットワークに挑戦したい人にもお勧めできる機種である。
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