HDMI 1.3aに対応した最新AVアンプの実力を知るべく、実力派がそろう実売10〜20万円クラスから主な機種をピックアップ。サウンドクオリティーとユーザビリティーの両面から、その実力を徹底的にチェックした今回の集中レビュー。その最後を飾るのは、パイオニアの「VSA-LX70」である。
最新AVアンプのボディカラーといえば、ゴールドかシルバーが定番。10年以上前にはブラックが流行した時期もあったが、今やほとんど存在しない。たまにチタンカラーなどのグレーシルバー系も見かけるが、こちらは大雑把に捉えればシルバーの派生ともいえる。そういった最近の風潮とは異なり、パイオニアの「VSA-LX70」はブラックボディを採用している。しかも光沢感のある、艶やかなフロントパネルであるため、存在感や上質感ではゴールドやシルバーにも負けていない。
いまパイオニアでは、先頃登場したプラズマテレビ「KURO」を中心としたとした高級AV機器の展開を推し進めており、プレーヤーからAVアンプ、スピーカーまで、ラインアップのすべてにイメージカラーであるブラックを用意している。その一翼を担う本製品も当然のごとくブラックカラーを採用。デザインもフラグシップ製品「SC-LX90」のコンセプトを受け継ぎ、ひと味もふた味も異なるものとなっている。
SC-LX90から受け継いだのはそのデザインだけではない。そのシステムも、DSPまわりを中心に数多くの独自技術が投入されている。そのなかでも最大の注目が、コンシューマー向けAVアンプとしては世界初搭載となる「フルバンド・フェイズコントロール」だ。
一般的なスピーカーは2〜4つのユニットが1つの箱に収められ構成されているが、この構造のためユニットごとの担当帯域の違いによる位相の狂いや、距離の違いによる微妙なタイムラグが発生しやすい。スピーカーメーカーもさまざまな手法でこうした弱点の克服を狙っているが、完璧に統一するのは物理的に不可能。それをDSPをフル活用することで解決し、理想的なサウンドを作り上げてしまおうというのがこの機能だ。
これにより位相特性のそろった音をスピーカーから出力するだではなく、違うメーカー/形式のスピーカーを組み合わせても、チャンネル間の位相特性がそろう。音質面だけでなく、使い勝手としてもうれしい機能となっている。
同社AVアンプの自動音場調整機能「MCACC」も、アドバンスド・バージョン「Advanced MCACC」に進化。これまでの周波数と音圧レベルに加え、時間軸による音場補正を実現。最少1センチ単位の距離補正ともあいまって、理想的なサウンド空間を作り上げることに成功している。
なちみに音質面では「THX SELECT2」の認証を受けているほか、ロンドン郊外の録音スタジオ「Air Studios」のエンジニアとのチューニングセッションを実施。機能面ではLANケーブル経由でPCの音楽ファイルを再生できる「ホームメディアギャラリー」やUSB/iPod再生に対応している。
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