東芝ブースにはInternational CESの開幕にあわせて発表された20機種もの新型「REGZA」が展示されている。“Cinema Series”と名付けられたトップエンドモデル「XF550」を筆頭に2月より販売が開始される。
“Cinema Series”XF550は名前の通り映画観賞を第一の目的にしたモデルで、16384階調の表示可能な14ビットパネルを搭載するほか、動的バックライト制御技術「DynaLight」を強化した「DynaLight SuperContrast」を実装し、黒の表現性を高めている。また、「液晶テレビでは世界最薄」という0.9インチのスリムベゼルを採用することで、画面への没入感も高めている。
そのほかには19V〜42V型の7モデルという幅広い画面サイズを用意するメインストリーム向けのベーシックモデル「AV500」、14ビットパネルにゲームモードを備えた32V/37V型の「CV510」、32V〜52V型でホームシアターユースをメインとする「RV530」、倍速駆動パネルを搭載した「XV540」が用意される。AV500/CV510は720p、RV530/XV540/XZF550は1080p対応だ。
参考展示で注目されるのが、WirelessHD(WiHD)を利用したワイヤレスソリューション。同社はWirelessHDの規格策定メンバーの1社であり、ブースでは液晶テレビとノートPC、HD DVDプレーヤーをWiHDで接続し、「NEXT GENERATION REGZA LINK」と題して、実際に映像を伝送させるデモが行われていた。
WiHD(詳細記事)は60GHz帯域を利用した無線伝送規格。最大4Gビット/秒の高速転送が可能で、1080pのHD映像を非圧縮で伝送可能だ。デモではWiHDを利用してノートPCの画面を液晶テレビに映し出すほか、HD DVDプレーヤーからテレビへHD映像を伝送させていた。
WiHDチップの量産が開始されていない現状ではWiHDを実装することでのコスト増は計算できないという。また、実際に家電製品へ搭載する際に課題となりそうなのが、60GHz帯の電波が特性としてもつ直進性のフォロー。60GHz帯の電波は非常に直進性が高く、アンテナを正面同士で向かい合わせないと通信に影響が出る。そのイメージは赤外線に近く、単純に送信するだけでは、手のひらなどをアンテナの間に入れると画面に乱れが出るほか、ストリーミングが遮断されてしまうこともある。
WiHDは「スマートアンテナ」とよばれる技術で直進性のフォローを行っており、今回のデモでも同機能を有効とすれば遮蔽物があっても通信に問題は生じない。ただ、さまざまな設置環境が想定される家庭内では、この技術でどこまで解消できるかまだ未知数。同社も「非圧縮のHD映像を伝送できるWiHDはAV機器の無線伝送としては有力な候補だが、直進性の強さをどうフォローできるかは今後も検証を重ねなくてはいけない」としている。
※初出時、内容に誤りがありましたので訂正させて頂きました
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