コンパクトデジタルカメラのこの春の注目といえば「おまかせ」機能だろう。カメラが自動的に笑顔を検知してシャッターを切ったり、撮影シーンを認識して最適なモードに切り替えてくれるといった機能を搭載した製品が登場している。
その中で今回はカシオ計算機の「EXILIM CARD EX-S10」を採り上げてみる。このカメラで注目の「おまかせ」は、自動でシャッターを切ってくれる「オートシャッター」だ。
EX-S10に搭載されたオートシャッターは、カメラが最適な瞬間を判断して自動的にシャッターを切ってくれる。自動的にシャッターが切れるという点ではソニーの「スマイルシャッター」と同種の機能といえるが、「オートシャッター」は笑顔以外にも反応するのが特徴だ。オートシャッターが用意しているのは「ブレ検出」「流し撮り検出」「スマイル検出」の3種類。
まずは「スマイル検出」。これについては同種機能を搭載した製品が多いのでイメージしやすいだろう。カメラを被写体に向けると顔検出が行われ、AFやAEが自動決定される。その後、被写体が笑顔になったらシャッターが切れる、という仕組み。
顔の検出には沖電気工業の「FSE」(Face Sensing Engine)を採用している(「笑顔」についてはカシオの独自技術が使われている)。精度自体は低くないが、他社の検出機能に比べると「厳しめ」という印象。肌色に反応しているのか、それとも何か別の判定ポイントがあるのかは分からないが、人形や彫像といった「人の顔をかたどっているけど人ではないもの」の検出が難しい。
しかし、普通に人物へカメラを向けると高速かつ正確に検出してくれる。横顔やちょっと角度を変えると反応しない場合もあるが、おおむね問題なく検出してくれるので、この辺はそういうポリシーなのかもしれない。笑顔を検出する“敏感さ”は3段階に設定でき、最も敏感にするとかすかなほほ笑みでもシャッターが切れる。笑顔の控えめな人を撮る場合はこの敏感さを利用するといいだろう。
ユーザーが自分でシャッターを切る、通常の顔認識ももちろん備えており、登録した特定人物へ優先的にAFやAEをあわせることが可能だが、オートシャッター利用時の「スマイル検出」ではこの機能が使えない。これができれば、「自分の子どもが笑った瞬間をオートシャッターで自動的に写真に収める」といったことができるはず。これはちょっと惜しい。
一度顔検出でAFをあわせてシャッターボタンを全押し(オートシャッターを開始)した後は、被写体が動いてもAFが追随しないことにも注意。ただ、連写モードにしておけばシャッターが切れたあとにAFが自動的に再動作するので、笑顔を検出するたびにシャッターが切れる。この使い方はぜひ覚えておきたい。
次回は、EX-S10の残るオートシャッター「ブレ検出」と「流し撮り検出」を見てみよう。
世界最小最薄の1010万画素デジカメ「EXILIM CARD EX-S10」
あのデジカメ、ここが気になる:便利だが万能ではない――LUMIX DMC-FX35「おまかせiA」(後編)
あのデジカメ、ここが気になる:設定はすべてカメラにおまかせ――LUMIX DMC-FX35「おまかせiA」(前編)
あのデジカメ、ココが気になる:手軽なYouTubeアップにその真価――EX-V8「YouTube対応」(後編)
あのデジカメ、ココが気になる:強力&魅力的な動画撮影機能――EX-V8「YouTube対応」(前編)
あのデジカメ、ココが気になる:無線LAN「環境」が問題か――COOLPIX S51c「無線LAN」(後編)
あのデジカメ、ココが気になる:携帯カメラ感覚で写真を送る――COOLPIX S51c「無線LAN」(前編)
あのデジカメ、ココが気になる:AF時も有効――EOS 40D「ライブビュー」(後編)
あのデジカメ、ココが気になる:ピタッとMF――EOS 40D「ライブビュー」(前編)
あのデジカメ、ココが気になる:これまでの操作性を捨ててもよかった?――DSC-T2「タッチパネル」(後編)
あのデジカメ、ココが気になる:直感操作が魅力――DSC-T2「タッチパネル」(前編)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR