じっくりと楽しむモノもあれば、瞬発力が面白いものもある。あるいは楽しい未来を想起させてくれるものがあると、とてもワクワクしてしまう──。そんな、世界中から集まる数々のアプリやWebサイトを楽しめることが、「iPhone 3G」の醍醐味だと思う。
今回は、まず僕が四六時中使っているアプリ、Twinkleを紹介したい。このアプリは、iPhone/iPod touch向けに多数リリースされているTwitterクライアントの1つ。ただTwinkleには、自分が今いる場所の周辺で、Twinkleを使って書き込まれたつぶやきを見つけられるという面白い機能がある。
このアプリのベースとなるTwitterは、一言ブログの代表格とも言えるサービスだ。140文字までの書き込みを、自分と「フォロー」している友人でシェアする。その内容は文字数制限から、ふと思ったこと、自分の状況などのつぶやきが中心。だからこそ、ふとしたきっかけでのタイムリーな会話が可能なのだ。
先日僕は青山通りの外苑前駅に向かっていた。そこからTwinkleを使って「青山通りの風が気持ちいい」という書き込みをした。すると急に友人からiPhoneにSMSが届いた。「まだ外苑前にいますか? ちょうどそのあたりを歩いています」という内容だった。
彼もちょうどTwinkleで近くを歩いている僕を見つけて、SMSを送ってくれたのである。そのとき僕はすでに電車に乗っていたので会うことはできなかったが、もう少しのんびりしていたならば、会ってコーヒーくらい飲めたかもしれない。
Twitterはつぶやきと時間のシェアでコミュニケーションを生み出していたが、Twinkleはつぶやいた場所のシェアでアドホックなコミュニケーションを作ってくれそうな予感がする。つまり、今すぐ会って話ができるという可能性を知り、またそのきっかけを作ってくれるアプリなのである。
Twinkleの使い方は簡単だ。App Storeからダウンロードして、Twinkleで使うメールアドレスを登録し、Twitterアカウントとパスワードをセットするだけでいい。あとは、アプリを起動して自分のTwitterでフォローしている人の書き込みを見たり、距離を設定してその付近でのつぶやきを見つけたり、自分でつぶやきを書き込んだりする。位置情報は基本的に自動的に取得してくれるが、極力GPSが捕捉できる場所で投稿した方がいいだろう。
iPhone 3GをWebサービスの視点から見れば、街の中で手軽にサービスを使ってもらえる端末ということになる。iPhoneのアプリを活用すると、ユーザーが持っている「位置情報」をWebに持ち込んで活用するインタフェースになるのだ。その1つの好例がTwinkleと言えるだろう。
東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。
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