パナソニックから登場した「DMC-GH1」(以下、GH1)は、なんとも面白くて楽しいカメラである。電子式ビューファインダー(EVF)で静止画を撮っても面白いし、液晶モニターを開いてローアングルやハイアングルで撮っても面白い。動画を撮っても面白いし、レンズ交換しても面白い。自由度が高いカメラなのだ。
ミラーボックスがないEVF専門(というかライブビュー専用)カメラなので一眼“レフ”ではないけど、おおまかなジャンルとしては「デジタル一眼レフ」の仲間。でもハイエンドコンパクトデジカメの感覚で使えちゃうのが面白いところだ。
しかもライブビュー時のAF性能もEVFの見やすさも、どのハイエンドコンパクトデジカメよりワンランク上である。そこが驚き。「一眼レフ」ならではのメカっぽさはなくなったけれど、デジタルならではの潔さを手に入れたって感じだ。
そのGH1、2008年秋に登場したマイクロフォーサーズ第1号機「DMC-G1」と基本デザインは同じ。「DMC-G1」(以下、G1)のボディをベースにポップアップストロボの背中にステレオマイクをつけ、動画用録画ボタンを設けたものである。
でも中味はこの短期間でかなり進化した。静止画編と動画編にわけて見ていこう。
GH1の外観こそは一眼レフっぽく大きく見えるが実物はかなり小ぶりで、同社製「DMC-FZ28」など、いわゆる高倍率ズーム機とあまり変わらない。144万画素相当という高精細で見やすいEVFをのぞき込むと、気分は超高性能コンパクトデジカメだ。
常時ライブビューのため、機能面でもコンパクトデジカメで人気の顔検出、追っかけAF、おまかせiAなど、基本的に2009年LUMIXの機能は網羅されており、個人を識別する個人顔認識も利用できる。
コントラストAFのため構図上のどこにでもピントを合わせられるのも特徴で、十字キーでAFポイントの任意指定も可能だ。AFはシャッター半押しでスッと合う。レンズの違いもあるが、G1よりさらに速く感じる。とにかく速い。
ただちょっとクセはある。GH1は「ある程度アタリをつけて」レンズを動かすことで高速化しているように感じるのだ。それが当たれば一瞬、外れた場合も高速でスーッと合わせ直すのでストレスはない。
撮像素子は有効画素1210万画素の「Live MOSセンサー」だが、実は撮像素子のサイズはイメージサークルよりやや大きめになっており、アスペクト比を変えても画角が変わらないのが特徴だ。
例えば4:3では4000×3000ピクセルだが、これを16:9にすると4352×2448ピクセルと横幅が広くなり、画角的にはほぼ同等になる。よって、フォーサーズと同じ4:3、デジタル一眼レフと同じ3:2、HDと同じ16:9を切り替えて使える。両端をトリミングした1:1の正方形フォーマットもある。
連写は秒3コマ。エントリークラスのデジタル一眼レフなみ。ISO感度は100〜3200で、1/3段刻みでの設定が可能。インテリジェントISO感度機能も持っている。高感度時の画質も悪くない。
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