ITmedia NEWS >

“何でもできる”お手ごろ高倍率ズーム機――ペンタックス「PENTAX X70」レビュー(2/4 ページ)

» 2009年06月03日 11時48分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

小型軽量でコストパフォーマンスは抜群

 昨今のコンパクトデジカメは、カメラとしての性能は一段落し、「デジタル部分」でいかに個性を出すかが重要になっている。ペンタックスのコンパクトデジカメは以前から個性的なデジタル系の機能を多く搭載しており、X70でもそれは健在だ。

シーンモードは豊富。でも赤ちゃんや人のアイコンがちょっと不気味(写真=左)、撮影メニュー。感度AUTO調整範囲が便利。そのほかにも白トビ補正などさまざまな調整項目がある(写真=右)

 シーンモードにはフレームつき写真を撮るお遊び系、2枚、あるいは3枚の撮影でパノラマ画像を作り出すパノラマ系、ペットモードなどユニークな機能も搭載している。フレーム付写真とパノラマについては作例に掲載したので確認してほしい。

セルフタイマーアイコンの中に連写機能がある。LMHとあるがどれも画像サイズは5Mに。右から2番目にあるのはインターバル撮影

 白トビ補正や自動追尾AF、インターバル撮影機能もあるし、顔検出系ではスマイルキャッチやまばたき検出もある。今が旬の自動シーン認識である「オートピクチャー」も装備しているので、普段はこのモードでいいだろう。マクロも自動認識してくれるし。

 注目すべきは連写機能か。超望遠で撮りたい被写体といえば、動物やスポーツ。連写が欲しくなるところ。連写はLMHの3種類。違いは連写速度で、Lは秒4コマで7枚撮影可能。Hは秒11コマの超高速で20枚まで撮影できる。

 ただし、連写時はいずれも画像サイズは5M相当に。さらに高速なMとHでは自動的にISO800に増感されるためシャッタースピードも早くなるが、画質面ではおすすめできない。画質を気にするならできるだけ連写は使わない、必要なら感度がむやみに上がらない秒4コマのL連写にしたい(それでも細部の解像感は落ちる)。詳しくは作例を参照あれ。

 小型軽量で持ち歩きやすく快適に使うことができたが、気になったのはバッテリー。ボディの割に薄くて小さなバッテリで、撮影可能枚数もCIPA規格で約170枚と多くない。本格的な撮影に出かけるなら予備が欲しいところだ。

 ともあれ、超広角から超望遠まで撮れ、機能も充実しており、しかも20倍ズームクラスの中ではもっとも軽くて実売価格もお手ごろ。ボディの質感や画質面はそれほどでもなく、モノとしての魅力や個性には欠けるけれども、コストパフォーマンスは抜群に高い1台である。コンパクトで低価格な高倍率ズームを探している人はぜひ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.