到着してパッケージを見ると、パッと見はまるで書籍のようなデザインである。表紙の下半分には帯のようなデザインに白抜きでアピール文が入っており、これを読めばストーリーの内容が分かる。ただしパッケージそのものは書籍ではなく箱になっており、2回ほど厚紙をめくれるようになっているだけだ。
表紙の厚紙をめくると、いきなりショートストーリーが書いてある。さらにもう1枚めくるとストーリーの続きが書いてあり、最後にパズルのルールが掲載されている。実は最初見たときはちょっと拍子抜けしてしまった。「ショートストーリー」と書いてはあるものの、もう少し文章量が多いと予想していたからだ。
実際には2〜3分もあれば読み終わってしまうような本当に短い話で、正直もう少し長いほうが個人的には良かった。メーカーとしてはショートストーリーはあくまでも“おまけ”のような位置付けと考えているのかもしれないが、“物語とパズルの融合”という点に引かれて購入した自分としては、肩すかしをくらったような感じである。
とはいえ、購入したことを後悔しているわけではない。なぜかというと、パズルそのものの出来がかなり良かったからだ。とくに「タイル職人のある一日」が面白い。パズルはパッケージの箱の部分に収納されているのだが、三角形のピースが6点入っているだけなのに、めちゃくちゃハマってしまい、一晩ですべての課題をやり終えてしまった。
対して「夏夜の思ひ出」のほうは少し難易度が高く思えた。詳しいルールはショートストーリーを読んでからのお楽しみということで割愛するが、小一時間粘ってがんばってみたにもかかわらず、課題を1つしかクリアできない。まあ「タイル職人のある一日」のほうがワタクシの好みに合っていただけなのかもしれないが、これはチト悔しい。
まあ“パズル文庫”という言葉から連想されるような読み応えのある小説ではなく、気軽に読めるショートストーリーだったわけだが、価格も安くパズルの出来もいいので、パズルが好きな人は買って損はないと思う。最近は脳トレブームで色々なゲームが発売されているが、この「ハナヤマパズル文庫」はアナログのパズルの良さが味わえる秀逸な商品ということで要注目だ。
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