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シャープ、新世代の液晶テレビ「LED AQUOS」発表(1/2 ページ)

» 2009年09月29日 16時17分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは9月29日、液晶テレビ“AQUOS”の新製品として「LXライン」を発表した。16日に発表した「UV2A」(ユーブイツーエー)採用の液晶パネルにLEDバックライトを組み合わせた「次世代のAQUOS」。新たに「LED AQUOS」というブランド名を与え、グローバルに展開する。

photophoto シャープの松本雅史副社長と「LED AQUOS」の第1弾となる「LX1ライン」

 2001年1月、「21世紀のテレビ」というキャッチフレーズとともに登場したAQUOSは、来年には10周年の節目を迎える。それに先駆けて投入されるLX1ラインは、「AQUOSの第2ステージ」という位置づけだ。「シャープが長年蓄積してきたLED技術、液晶技術、テレビ技術を高度に組み合わせて初めて誕生した」(シャープの松本雅史副社長)。

 同社のラインアップ上は、既存の「GX5ライン」「RX5ライン」を置き換えるプレミアムシリーズとなり、40V型から60V型までの4サイズを11月に発売する。価格はすべてオープンプライスだが、店頭では40V型が25万円前後、46V型が35万円前後、52V型は45万円前後、60V型が55万円前後になる見通しだ。

photo 52V型の「LC-52LX1」
型番 LC-60LX1 LC-52LX1 LC-46LX1 LC-40LX1
解像度 1920×1080ピクセル
消費電力 275ワット 192ワット 172ワット 145ワット
年間消費電力量 211kWh/年 168kWh/年 143kWh/年 118kWh/年
実売想定価格 55万円前後 45万円前後 35万円前後 25万円前後
発売日 11月25日 11月10日
※ 価格はオープンプライス

ダイナミックコントラストで200万:1

 LX1ラインに採用された液晶パネルは、UV2A(Ultraviolet induced multi-domain Vertical Alignment)と呼ばれる新しい光配向技術を導入したもので、画素を区切るリブやスリットを廃した点が大きな特徴。リブなどの構造物に起因する光漏れを防ぎ、「輝く白と沈み込んだ黒」(同社)を表現できる(→シャープ、次世代液晶テレビのコア技術を披露)。パネル自体のスタティックコントラストは5000:1で、テレビコントラスト(ダイナミックコントラスト)は200万:1を実現。4ミリ秒以下という高速応答性も特徴だ。

photophoto UV2Aの次世代液晶パネル(左)と白色LEDバックライトのカットモデル(右)。LEDの数は非公開

 一方のLEDバックライトは、従来のRGB LEDに代えて白色LEDを採用した。自社開発のバックライトモジュールには、画面全体をムラなく照らす光拡散技術を採用し、均一な画面を作ることができるという。ただし、エリア制御(ローカル・ディミング)の機能は搭載せず、液晶パネルの120Hz駆動に合わせて、バックライトをラインごとに順次スキャン(黒挿入)する「Wクリア倍速」としている。

 LEDバックライトの大きなメリットであるエリア制御を行わないことについて同社では、「一番の理由は高価であること。またエリア別に制御できるといっても画素と同数のLEDがあるわけではなく、やり方によっては映像が破たんする可能性もある。今回は製品の価格を抑え、省エネ性など基本的な部分からLEDのメリットを生かすことにした」(同社)と説明している。省エネ性能については、従来の同等モデル(GX5シリーズ)に比べて30%以上の消費電力削減に成功したという。

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