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今週末開催、秋葉原「オトテン」の歩き方ぜいたくな耳になるかも

» 2009年11月12日 13時51分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 日本オーディオ協会が主催するオーディオ・ホームシアター専門展示会「オーディオ&ホームシアター展 in AKIBA2009」(通称:オトテン)が11月13日(金)から3日間のスケジュールで開催される。「A&Vフェスタ」から名称を変更し、開催場所もパシフィコ横浜から秋葉原へ変更。実に8年ぶりという東京開催とともに、秋葉原の販売店との連携にも注目が集まっている。

 オトテンのメイン会場になるのは、JR秋葉原駅近くの「秋葉原UDXビル」、そしてJRの線路を挟んでちょうど反対側に位置する「富士ソフトアキバプラザ」の2カ所だ。UDXビル2階には、各社の製品を一覧できる展示スペースを設けるほか、4階には各種ワークショップを行う「音の教室」会場を用意する計画。一方の富士ソフトアキバプラザは、パシフィコ横浜時代の会議センターと同じ位置づけで、1階、4階、5階、6階、7階の5フロアにわたって各メーカーの試聴ブースを設ける。

photo 10月の「CEATEC JAPAN」や「FPD International」で展示されたシャープの60V型3Dテレビ試作機。今回は「恐竜」や「スポーツ」をテーマにした立体映像を体験できる

 展示品や試聴用機器は、例年通り発表済みの製品が中心となるが、珍しく“新技術”を全面に押し出すのがシャープ。秋葉原UDXビル2階に大きめのブースを設営する同社は、10月の「CEATEC JAPAN 2009」などで披露した60V型3Dテレビのデモンストレーションを予定しているほか、“LED AQUOS”「LX1ライン」で採用したUV2A対応の40V型パネルと従来型のASV液晶パネルと横並び比較できるスペースを設ける計画。なお、大手メーカーの中で3Dテレビを出品するのは同社だけだ。

 技術展示の横には、LX1シリーズの60V型とAQUOSオーディオ(ラックシアター)を使ったシアターも用意する。こちらは調光機能を持つ同社のLED照明やプラズマクラスターイオン付き空気清浄機なども合わせて展示し、快適な“リビングシアター”を訴求するのが目的だ。

 一方、今回は展示ブースを設けないソニーは、富士ソフトアキバプラザに2つの試聴室を用意する。このうち1つはHi-Fiオーディオがテーマで、同社の高級スピーカーシステム「SS-AR1」やデジタルアンプ「TA-DR1a」、SACDプレーヤー「SCD-DR1」といった高級コンポーネントの音をじっくり体験できるスペースになる。

 もう1つの視聴室はホームシアターがテーマだ。AVアンプ「TA-DA5500ES」とフロントプロジェクター「VPL-VW85」を核とする120インチスクリーンのシアターには、「SS-AR1/2」を使ったマルチチャンネルシステムと高級Blu-ray Discプレーヤー「BDP-S5000ES」も用意する。

photophoto AVアンプ「TA-DA5500ES」は27万3000円。フロントスピーカーの位相をリファレンスとして、サラウンドやセンタースピーカーの位相特性を合わせる自動位相マッチング技術「APM(Automatic Phase Matching)」を搭載した。SXRD搭載のフロントプロジェクター「VPL-VW85」は、12万:1のコントラスト比を実現

 同じく試聴室だけを用意するパナソニックの場合は、Blu-ray Discレコーダーのハイエンドモデル「DMR-BW970」が主役になる。ここでは、「シアターモード」など画質に関する技術デモンストレーションにくわえ、同社のスピーカーシステム「PF800シリーズ」と7.1chのAVアンプ「SA-BX500」を組み合わせてDMR-BW970の音質を訴求する。ただし、主役はあくまでもDMR-BW970のため、ビットストリームでAVアンプに入れるのではなく、レコーダー側でデコードしたロスレス音声をリニアPCM伝送する方式とするという。

photophoto 「DMR-BW970」は、BD再生時に「シアターモード」を選択するとHDDやデジタルチューナーといった不要な機能を停止することでノイズや振動を抑える(左)。AVアンプ「SA-BX500」(右)

 DMR-BW970といえば、デジタル信号処理で“温かみのある音”を目指した“真空管サウンド”モードも話題だ。同社の試聴室では、実際に真空管サウンドモードの音を確認できるほか、担当技術者による講演も予定している。ハイエンド商品に加えられた、温かい“遊び心”に触れたい方は是非。

販売店と連携したサービスも

 高級コンポーネントを中心に各社のAVシステムをまとめて見るチャンスといえるオトテンだが、ここまでの紹介を読んで少し不満をおぼえた人もいるのではないだろうか。メーカーの試聴室では、自社製品同士の組み合わせが大前提。しかし、AVファンならコンポーネントごとに気になる機種やメーカーがあって当然だ。また、展示会場でお気に入りの機器に出会ったとしても、イベント会場で購入することはできない。オトテンが秋葉原に移転した最大の理由は、ここにある。

photo ソニーの「SS-AR1」は、北海道産カエデ材やフィンランド産カバ材などを使用した高級スピーカー。1本89万2500円

 例えばソニーでは、テレオン、ダイナミックオーディオ、石丸電気の各店舗と協力し、SS-AR1を他社製アンプと組み合わせたときの音を確認できる試聴スペースを店舗に用意する(一部は土日に限る)。ソニーの試聴室にいくと案内用のビラがもらえるので、各店舗が用意したコンポーネントに興味がわいたら訪問すればいい。もし、そのまま購入に至れば、購入者はもちろん、メーカーや販売店も喜ぶという仕組みだ。

 シャープブースでは、期間中に秋葉原の協力店でLX1シリーズかラックシアターの“AQUOSオーディオ”対象モデルを購入(あるいは予約)した人に対して、記念品のクロック付きリモコンラックを配布する。協力店の目印は、キャンペーンの“のぼり”。成約時に記念品の引換券がもらえるため、それをオトテンの同社ブースに持って行けばリモコンラックと交換できる。販売店と会場を行き来することになるが、イベントのついでに秋葉原を散策してみるのはいかがだろう。

 イベントのついでに、お目当ての専門店をチェックしておきたい人には、オトテン事務局主催のスタンプラリー「サウンディーをさがせ!」が便利だ。「音展ハーモニーショップ」と呼ばれる協賛店・協力店をまわり、イベントキャラクターの「サウンディー」(フェネック)が描かれたスタンプを集めると、スタンプ8個ごとに1回、抽選に参加できる。賞品は、UDXレストラン街のお食事券や音楽ギフトカード、フェネックのぬいぐるみなど。

 「オーディオ&ホームシアター展 in AKIBA2009」の開催期間は、11月13日(金)〜15日(日)の3日間。各会場のオープンは午前10時、クローズは13日が午後8時、14日は午後7時、15日は午後5時となっている。なお、初日に秋葉原UDX会場に来場した方、先着200人にはもれなくトートバックがプレゼントされる。

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