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「3D元年」覇を競うパナソニックとソニー2010 International CES(2/2 ページ)

» 2010年01月08日 00時46分 公開
[小山安博,ITmedia]
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 ソニーはSony Picturesが3D映画「Cloudy with a Chance of Meatballs」を上映する。Sony Picturesはカリフォルニア州に3Dテクノロジーセンターも設立しており、3D映画の製作に力を入れていく。また、Sony Musicもカントリーミュージシャン Kenny Chesneyのコンサートツアーを3D化した「Kenny Chesney Summer in 3D」を夏にリリースし、ソニーグループとして3Dを推進していく。

photo Sony Picturesの3D映画「Cloudy with a Chance of Meatballs」。Avatorはパナソニックがスポンサーになっており、映画でも両社の3D競争が激化しそうだ

 さらに、今年のサッカー・FIFA ワールドカップやゴルフのPGAツアーをソニーの3D対応カメラで撮影して放送する。これはスポーツ専門チャンネル「ESPN」で今夏からスタートする、3D映像を放映する「ESPN 3D」上で放送され、今年中には85の3D番組を放映される予定となっている。

photophoto 設立された3Dテクノロジーセンター(写真=左)、ソニーの3D対応カメラを使って、ワールドカップが3Dで楽しめる(写真=右)

 3D対応テレビとしては40〜60インチのBRAVIA「XBR-LX900」シリーズを用意。これらには3Dを見るためのアクティブシャッター方式のメガネが2つ付属する。「XBR-HX900/800」という2つのシリーズでは、3Dのトランスミッターとメガネが付属しない形で、3Dを見たくなったらこれらを別途購入するという形になるそうだ。

photophoto 新たに“Monolithic”デザインを採用した3D対応の新BRAVIA。さらにBDプレイヤーやスピーカーシステムも提供する

 3D対応のBDプレイヤー「BDP-S770」やワイヤレスのスピーカーシステムを発売し、3D視聴環境を充実させていく。これらの製品も今夏の発売予定だ。加えて、ソニーの強みであるPlayStation 3を3D対応させ、3Dゲーム環境も実現(ソニー、3Dテレビを2010年に投入 VAIOやPS3も3D対応へ)。そのほか、プロトタイプとして有機ELタイプの3D対応テレビも開発中だと明らかにされている。

photophoto PS3を使った3Dゲームも可能になる(写真=左)。右はプロトタイプの有機ELタイプの3Dテレビ(写真=右)

 パナソニックもソニーも、3Dの撮影や映像配信、そして家庭での視聴環境の構築まで、トータルで3D化を推進していこうとしているのが特徴だ。「メガネをかけて映像を見る」という従来とは異なる視聴環境となるため、まずは環境整備で3Dの魅力をユーザーに普及させていく考えで、その先行者となるべく両社は強い意欲を見せている。

 なお、その他のメーカーでは、例えば東芝が3D対応のCELL TVとBDプレイヤーを発表しているほか(2010 International CES:CELL、LED、そしてBD 復活ののろしを上げた東芝のテレビ戦略)、シャープも今年中に発表するという。各社がこぞって3D対応を進めており、今年はまさに3D元年となりそうだ。

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