あんまり3Dの話ばかり続いてしまうと、ちょっとばかり食傷気味になるかもしれないが、今週にもパナソニックが3Dテレビと3D対応Blu-ray Disc製品を発表するとみられている。ソニーが夏ごろの発売といわれているため、およそ1四半期分、パナソニックが先行するはずだ。
とはいうものの、筆者もここまで3Dの話を続けるつもりはなかったのだが、世の中的には「3Dテレビに関する質問がすごく多いんですよ」と日本テレビ「ズームイン!! SUPER」の担当者(編集部注:本田氏は、2月4日放送のズームイン!! SUPERに出演しました)。早朝の情報番組でまで取り上げようという3Dの勢いには、ちょっと驚いてしまった。なにしろ昨年までは、3D映画は面白い! と書いても、まったく手応えがなかったのだから、映画「アバター」の大ヒットがここまで波及しているのかと感心してしまった。
ズームインに関しては、筆者に直接連絡があって取材に協力したのだけど、なるほど設定されている質問をトレースしてみると、なるほどこれまでの3Dテレビ情報には基本的な部分が欠けていると反省した。コメントとして出たのは一瞬のことだが、実は1時間ほど話していて、その多くはフリップやナレーションの中で伝える形だった。
もう少し、3Dテレビに関しては基礎知識を掘り返すところから始めた方がいいのかもしれないので、来週以降は超簡単3Dテレビを知るためのキーワードを取り扱ってみようか? と思っている。
さて、テレビの取材を受ける際、いくつかのキーワードを挙げたのだけど、そのうちの1つが”3Dが流行れば、日本が元気になる”というものだった。まぁ、風が吹けば桶屋が儲かる的理論と言われればそれまでだが、そこまで遠いバタフライ・エフェクトではない。
その前に、いくつか基本部分のコンセンサスを取っておこう。以下、3Dテレビに関して誤解されていることが多い項目を紹介しよう。
従来のテレビとほぼ同じ。今年発売されるのは最上位モデルだけど、1〜2年後はその下のモデル、その次にはさらに下のモデルもと、カタログにある機種一覧の上から順に3D対応が追加されていくイメージ。一部製品は「3D Ready」として、3D機能には対応しているけどメガネは別売りといったパターンで発売される。いずれにしても、従来のラインアップの価格帯は維持される(据え置き)見込みだ
3Dテレビが登場したから買い替えましょう、なんてストーリーは、実は業界の誰も描いていない。テレビというのは5〜10年ぐらいのサイクルで買い替える製品だ。一気に3Dに置きかえるというよりも、買い替えのタイミングで順次3D対応モデルが家庭に入っていき、時間をかけて普及をしていくというイメージだ。これは”フルHD対応テレビ”の普及パターンとよく似た展開になるだろう
3Dテレビは従来のテレビの上位から順に導入されていくから、すごくシンプルに言ってしまえば、従来のテレビに新機能が付け加わっただけ、という感じだ。それに価格が大幅に上がるわけではないから、“テレビメーカーがウハウハ”なんてことはない。ただし、前述したように、急速にシェアを伸ばしている韓国メーカーと戦うためのツールにはなるだろう。
もちろん、韓国メーカーだって3Dテレビを発売するから、3Dになったからといって、シェア関係が大きく変わるということはない。しかし、3Dになれば日本メーカーに有利に働く面も少なくない。日本メーカーには、韓国のメーカーにはない総合力があるからだ。
では、3Dテレビが流行すると、なぜ日本のメーカーが元気になるのだろうか?(以下、次回)
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