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失敗しないLED電球購入ガイドLED電球でエコな暮らし(1/2 ページ)

» 2010年02月15日 11時00分 公開
[上島康夫,ITmedia]
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 昨年始まった省エネ家電(地デジ対応テレビ、エアコン、冷蔵庫)に対するエコポイント制度は、今年度の補正予算によって平成22年12月末までの延長が決まった。4月以降は制度改善策として、新たにLED電球の利用促進が掲げられている。詳細はまだ固まっていないようだが、省エネ効果の高い商品への交換を促進するため、獲得したエコポイントをLED電球(および電球形蛍光灯、充電式ニッケル水素電池など)と即時交換できるようになるらしい。今年4月以降、LED電球の普及が一気に進むことは間違いない。

 当編集部では「そろそろ知っておきたい“LED電球”の選び方」と題した連載記事をスタートさせた(「前編」「中編」、「後編」は近日公開)。本格的な比較レビューはこの連載記事に譲るとして、編集部に届いた5製品を自宅に持ち帰り試用してみたので、製品選びの参考にしてもらいたい。

photo 60W白熱灯用のシーリングライト

 試用に用いた部屋はリビングルームの壁近くに設置されているシーリングライトである。リビングルーム全体は傾斜天井から吊した照明(60W型電球×5個使用)をメインとし、ロフトの下を補助的に照らすためにこのシーリングライトを使用している。LED電球の配光特性を比較しやすくするため、白い壁に近いこの場所を選んだ。照明器具は60W型の白熱電球用で、白色の傘に覆われたタイプ。床と天井の距離は2.4メートル、電球下端から床までは2.2メートル。撮影時はリビングルームの主照明を消灯し、まず電球形蛍光灯の60W型で肉眼に近くなるよう撮影データを固定し、同一の設定で5製品の横位置/床部分を撮影した。撮影データは、「光源:白色蛍光灯(4000K)」「シャッタースピード:1/8」「絞り:F5.6」「感度:ISO 800」である。

 試用した製品は以下。ネオボールZは比較用の電球形蛍光灯である。NECライティングの「LIFELED'S」は全光束(光源がすべての方向に放出する光の総量のことで単位はルーメン)がほかより小さいく、エコリカのみはスポット光タイプ(ほかは拡散光タイプ)なので、この2製品はほかの3製品と横並びで比較すべきではないことをお断りしておく。あくまで各製品の特性を理解するという趣旨をご理解いただきたい。

メーカー 製品名 消費電力 光源タイプ 全光束(ルーメン) 発売時期
東芝ライテック ネオボールZ EFA12EN 12W 3波長形昼白色 780 2000年--月--日
パナソニック EVERLEDS LDA7D-A1 6.9W 昼色光 570 2009年10月21日
シャープ 600SERIES DL-L601N 7.5W 昼白色 560 2009年8月1日
東芝ライテック E-CORE LEL-AW6N/2 6.9W 白色相当 565 2009年7月15日
NECライティング LIFELED'S ELL6N-100V 6W 白色相当 350 2009年9月24日
エコリカ ECL-HPL60WH 7.5W 白色相当 500 2009年12月15日
注:ネオボールZのみ電球形蛍光灯で、使用開始から6〜8年程度経過している。ほかのLED電球は新品

 個別のリポートに入る前に総括を先に述べておこう。LED電球は従来の白熱電球や電球型蛍光灯と比べて、製品ごとに光の性質はかなりバラツキがあるため、使用環境に合った製品を購入する必要があると感じた。従来のように、値段とメーカーのブランド力を頼りに深く考えず製品を選ぶという買い方は通用しないと思った方がよい。

 LED電球は白熱電球や電球形蛍光灯に比べて光量が不足すると思われがちだが、今回試用した製品はいずれも床に届く光量に不足はなかった。LED電球はもともと指向性の強い光を発するので、これは当然の結果といえよう。むしろ白熱電球や電球形蛍光灯からの移行で注意してほしいのは光の拡散性だ。

 今回の5製品では、DL-L601N(シャープ)とE-CORE(東芝ライテック)が電球形蛍光灯の拡散性に近い印象だった。写真を厳密に比べると若干ネオボールZ(電球形蛍光灯)よりも指向性は強いのだが、肉眼でその違いはほとんど分からなかった。光源色はいずれも白色タイプを用意したものの、その色味はメーカーごとに若干違いが見られた。個人の好みに左右されるので優劣を付けられるものではないが、購入時には使用する環境に合わせて暖色系/寒色系を選ぶとよいだろう。

 省エネ性能に加えてLED電球の長所は、点灯直後から最大の明るさになる点だ。かつて電球型蛍光灯が登場したとき、省エネのために白熱電球から交換していちばんの不満だったのは、点灯直後に十分明るくならないこと。今回の試用では、いずれの製品も点灯直後から十分な明るさを発揮していた。省エネ意識の高い家庭では、人のいない部屋はもちろん、廊下や階段でもこまめに消灯するものだ。頻繁にスイッチのオンオフを切り替える場所にLED電球を使うのは大きなメリットとなるだろう。

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