「次世代レグザエンジン」搭載により、番組表の起動が早くなったのもポイント。以前のモデルでは、リモコンのボタンを押してから番組表が表示されるまでに約2.8秒(H9000シリーズ)かかっていたが、今回は約1.8秒になった。数字としてはたった1秒だが、実際に使ってみると、この1秒間が「遅い」と「気にならない」のちょうど境目にあったような気がする。確かにワンテンポの待ち時間はあるが、ストレスを感じる前に番組表は表示される。
2台目のテレビを購入する場合、個人的に必須だと思っているのが、DLNAのDMP(クライアント)機能だ。メインのレコーダーがリビングに置いてあっても、ネットワーク経由で録画番組を視聴できる。今回は手持ちの「RD-A300」をサーバに使い、有線接続で試してみる。
設定は簡単。サーバ機能をオンにしたレコーダーと同一ネットワークに接続すれば、REGZAの設定画面に表示されるため、ここで登録するだけでいい。すると、「レグザリンク」メニューの「録画番組を見る」起動時に外付けHDDとDLNAサーバを選択できるようになる。もしサーバ機器が「Wake on LAN」対応のPCなどであれば、電源オフの状態であってもREGZAからネットワーク経由で起動させることが可能だ(RD-A300は対応していない)。
外付けHDDと違い、番組一覧は「すべて」「曜日別」でしかソートできないが、RD-A300で作ったフォルダがそのまま再現されるため不便は感じない。再生時には、レグザのリモコンで「早送り/早戻し」「30秒スキップ」なども利用でき、レコーダーの前にいるときとほとんど変わらない操作性で録画番組を視聴できた。なお、今回使用したRDはMPEG-4 AVCによる長時間録画機能を持たないが、REGZA側はデコード機能をもっている。
もう1つ、重要なのが、ネットワーク経由で録画済みデジタル放送番組をダビングする「レグザリンクダビング」に対応したこと。以前は“見たら消す”スタイルが基本だったが、RE1シリーズでは、DLNAサーバ機能を持つNASにダビングしてほかの部屋にあるテレビから視聴したり、Blu-ray Discレコーダーでアーカイブするといったことも可能になる。将来的にBlu-ray Discレコーダーを購入したいが、まずは安価にハイビジョン録画を行いたいといったニーズにも合う。
2010年夏REGZAの特長の1つに、よりゲームに特化した映像モード「ゲームダイレクト2」がある。「ゲームダイレクト」は、もともとREGZAの上位シリーズにのみ搭載されていたもので、スケーリングをはじめとする映像処理を省くことで、液晶テレビでゲームを遊ぶ際に問題となっていた“表示の遅延”を抑える。新しい「ゲームダイレクト2」はこれを進化させ、遅延を抑えたまま、超解像処理やスケーリングも行えるというものだ。
手持ちの「Xbox360」でいくつかのゲームを試してみた。例えばエレクトロニック・アーツのホラーシューティングゲーム「Left 4 Dead」。次々と襲ってくるゾンビを銃で撃ちまくる、かなりスプラッターなアクションゲームだ。高画質処理については、もともとゲーム画面の解像度が高くて違いは分かりにくいが、同じシーンで映像モードを切り替えながら比較すると、心持ち精細感が上がっているのが分かった。一方の遅延については、少なくともプレイ中に“遅い”と意識した場面はまったくない。逆に、負けたときの言い訳がなくなって困るくらいだ。
個人的には、昔のドット画を忠実に再現するという「レトロゲームファイン」がとても気になるのだが、残念ながらRE1シリーズには搭載されていない。ただ、試しに「nintendo 64」や「セガサターン」といった懐かしいゲーム機をつないでみたところ、意外と使える印象だった。これらのゲーム機はコンポジット接続のためゲームダイレクト2は効いていないはずだが(S端子、D端子、HDMI端子に対応)、画面サイズも幸いして不満を感じないレベルで遊ぶことができる。
22RE1は、非常に高いレベルでバランスのとれたパーソナルテレビだ。LEDバックライトや新エンジンの採用でスタイルと画質に磨きをかけ、録画やネットワーク関連の機能も充実。とくにネットワークダビング(レグザリンクダビング)に対応したことで、将来の拡張性を確保できた。DLNAやゲームダイレクト2など、パーソナルユースに適した機能もあり、電子番組表などのユーザーインタフェースは完成度を増した。
世代を重ねるごとにますます“練れてきた”感のあるREGZAシリーズだが、22RE1を見て、小型サイズも例外ではないことがよく分かった。2台目のテレビを探しているのなら、最初に候補として挙げたい1台だと思う。
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