既報の通り、米Appleは11月11日から日本のiTunes Storeで映画の販売とレンタルを開始した。ハリウッドの大手スタジオ5社や国内6社のコンテンツプロバイダーが参加し、1000本以上の映画をラインアップ。あわせてストレージを持たない低価格な新「Apple TV」を投入してレンタル需要を喚起する(→アップル、「Apple TV」を8800円で発売、iTunes Storeで映画配信も)。まずは、手持ちの「MacBook」(Core 2 Duo、2GHz)と「iPhone 3GS」でレンタルを試してみた。
購入およびレンタルの価格は下表の通り。DVDレンタル店などと同様、リリース時期によって新作から旧作まで価格帯が分かれているほか、SD版とHD版(720P)という違いもある。映画タイトルを一覧してみたところ、まだ多くのタイトルがSD解像度で、ハイビジョン版を用意しているのは2割程度のようだ。タイトル説明で「HD」表記がなく、単に「映画を購入」「映画をレンタル」と表記されているものはSD解像度なので、テレビで視聴する人は注意したい。また、タイトルによってはレンタルのみというケースもある。
新作映画 | 準新作映画 | 旧作映画 | |
---|---|---|---|
セル、HD版 | 2500円 | 2000円 | 2000円 |
セル、SD版 | 2000円 | 1500円 | 1000円 |
レンタル、HD版 | 500円から | 300円から | |
レンタル、SD版 | 400円 | 200円から | |
動画のフォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、HD版の解像度は1280×720ピクセル。ドルビーデジタルによる5.1chサラウンドのタイトルも用意した。ファイルサイズを見ると、SD解像度の映画で1G〜1.5Gバイト程度。例えば再生時間が1時間43分の「トイ・ストーリー3」は1.45Gバイトだ。一方、HD解像度の場合は3Gバイトを超えており、例えばトイ・ストーリー3と同じ1時間43分の「ソウ」(HD版)は3.31Gバイトとなっていた。
試しに往年の名作「大魔神」をレンタルしてみた。SD版でレンタルは200円。再生時間は1時間23分となっている。課金にはクレジットカードもしくはiTunes Cardが利用できる。
レンタルした動画は、ダウンロード完了後から30日間以内に視聴する必要がある。この期間内なら好きなときに見始めることができるが、一度視聴を開始すると、その時点から48時間が視聴期間となる。その期間は何度でも再生可能で、48時間が過ぎるとムービーはiTunesライブラリから自動的に削除される仕組みだ。48時間というと短く感じるかもしれないが、海外では24時間の地域も多いため、日本向けにAppleも少し頑張った感はある。なお、視聴しないまま30日間が過ぎた場合も動画ファイルは削除されてしまうため、このムービーを改めて視聴したければ再度レンタルすることになる。
MacやPCでレンタルムービーをダウンロードした場合、iPhoneなどのデバイス(Phone 4、iPad、第4世代iPod touch、Apple TV)に移動して再生することも可能だ。iTunesライブラリの「ムービー」の下に「レンタルムービー」という項目が追加されており、ここからムービーを選択して「移動」を指定、「適用」するとiPhoneへ移動が始まる。ムーブした動画は、Mac/PCのiTunesライブラリからは削除される。
iPhone上では、iPod機能の「ビデオ」に新しく「レンタルムービー」という項目ができ、ここにレンタルした動画が並んでいた。Macで視聴を開始した場合、iPhoneに移動しても残り視聴時間は引き継がれており、タイトルの横に赤字で「あと××時間有効」と表示される。
再生を開始すると、Mac上で一時停止した場面から再生開始。レジューム機能はデバイスをまたいでも有効だ。また再生時には、早送り/早戻しはもちろん、チャプター一覧の「チャプターガイド」も利用できた。
視聴開始から48時間が過ぎると、iPhone上でもムービーは自動削除される。なお、最初にiPhoneやiPadでムービーをダウンロードした場合は、MacやPCに転送することができない点には注意が必要だろう。
さすが海外で実績を持つiTunes映画レンタルサービスだけに、その仕組みは非常に良くできている。ハイビジョンコンテンツがまだ少ない点は気になったが、iPhoneによる再生ならまず気にならない。話題作もそこそこラインアップされており、今後の拡充に期待は持てそうだ。まずは好みのタイトルがラインアップされているか、iTunes Storeをのぞいてみてはいかがだろうか。
1つ気になるのは、昨晩からアップルサイトの「iTunes」ページが、とても思わせぶりな画面に変わっていることだ。「明日、いつもと同じ一日が、忘れられない一日になります。」という一文と、「iTunesからの特別な発表を、明日ここで行います。お見逃しなく。」という告知。日本時間の今夜0時に何かが発表されるらしい。こちらも期待して待とう(→関連記事)。
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