ASUSTeK Computer(ASUS)の「N55SF」は、音楽を楽しむことにフォーカスしたノートPCだ。
15.6型ワイド液晶ディスプレイを装備したボディに、デンマークに本拠を置く高級オーディオ機器メーカー「Bang & Olufsen ICEpower」と共同開発したオーディオシステム「ASUS SonicMaster」を搭載し、外付けの専用サブウーファーが付属する興味深い製品となっている。
ASUSとBang & Olufsen ICEpowerのコラボレーションによる高音質ノートPCは、2010年10月発売の18.4型ワイド液晶搭載モデル「NX90Jq」から始まり、N55SFはその流れをくんだ製品だ。
N55SFは液晶ディスプレイの解像度や光学ドライブなどの違いで2モデルが用意されているが、ここではフルHD液晶とBlu-ray Discドライブが魅力の上位機「N55SF-S2630B」を試した。
ボディのサイズは、379(幅)×260(奥行き)×37〜37.5(高さ)ミリ、重量は約2.7キロだ。奥行きが少しあるが、15.6型ワイド液晶搭載のノートPCとしては標準的といえる範囲だ。
ブラックとシルバーのツートーンを基調にしたボディは独特の存在感がある。フラットな天面はつややかな光沢仕上げのブラックを反射の強いシルバーで縁取り、力強い印象を与えている。キーボードの奥に大きな面積を確保したステレオスピーカーや、「ASUS」と「Bang & Olufsen ICEpower」のロゴをあしらった液晶下部の金属製プレートは高級感があり、独自の世界を演出している。
液晶ディスプレイのヒンジ部に装着されたリチウムイオンバッテリーの容量は56ワットアワー(10.8ボルト 5200mAh)で、公称の駆動時間は約4.2時間だ。モバイルで使うサイズのノートPCではないが、これくらいの駆動時間が確保されていれば、ちょっと別の場所に持ち出したりする際に、ACアダプタを置いていけるのでありがたい。
標準で付属するACアダプタは実測でのサイズが65(幅)×158(奥行き)×38(高さ)ミリ、重量が623グラムとかなり大きい。後ほど紹介する基本スペックの高さを考えると、仕方がないところだろうか。
N55SF-S2630Bの大きな特徴がサウンド機能だ。高級オーディオメーカーとして世界的に有名なBang & Olufsen(ICEpower)との共同開発から生まれた、革新的なオーディオシステム「ASUS SonicMaster」を搭載しているのが見逃せない。
業界最高クラスというオーディオコーデックや11ワットのパワーアンプを実装しており、キーボードの奥に大きなスペースをとって直径32ミリのステレオスピーカー、108ccの大型チャンバーを内蔵している。さらに外付けで直径60ミリのサブウーファーを標準で付属するという周到さだ。サブウーファーは本体右側面奥の専用端子に接続する。
その実力は音楽を再生してみると、すぐに実感できるだろう。とてもノートPCとは思えないパワフルかつクリアなサウンドが広がる。特性としてはフラットな傾向でサブウーファーなしだと少し低音に弱さも感じるが、サブウーファーを接続するとナチュラルに厚みが増し、豊かで明瞭(めいりょう)なサウンドが再現される。
さすがに音場は本体周辺に限られるが、PCに向き合っているぶんには2〜3万円クラスの外付けスピーカーシステムと比べても遜色(そんしょく)ない印象だ。Bang & Olufsen ICEpowerの名にも恥じない仕上がりといえる。
また、電源オフの状態から約8秒で起動して音楽が楽しめるインスタント起動機能「ASUS Music Now!」も備えている。インスタント起動とはいえ、タッチパッド/マウスで操作でき、インターネット接続も可能と、短時間音楽を楽しむには十分な環境だ。
電源オフの状態から「ASUS MusicNow!」を起動し、マウスを操作して音楽CDにアクセス、インターネットからトラック名を取得して音楽を再生開始するまでの様子
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