9月12日(現地時間)に米国で行われた「iPhone 5」の発表を受けて、国内でもプレスイベントが開催された。既報の通り、発表の目玉はiPhone 5だが、「iPod touch」と「iPod nano」でも、シリーズ史上、最も薄い新モデルが登場している。イベント会場に設けられたハンズオンコーナーでの試用体験を交えながら、新しく生まれ変わったiPod touchとiPod nanoの特徴を見ていこう(なお、iPhone 5の詳細についてはモバイル編集部の記事を参照して欲しい)。
まずは大きく進化した第5世代iPod touchから。実機を手に取ってすぐ気づくのは「すごく軽い!」という点だ。iPhone 5同様にディスプレイが3.5型から4型へ大型化したため、本体サイズは、旧機種の58.9(幅)×111(高さ)ミリに対して、新型の58.6(幅)×123.4(高さ)ミリと縦方向に長くなる一方で、厚さは7.2ミリから6.1ミリに薄くなり、重量も102グラムから88グラムと軽くなった――と、あらかじめスペックの違いは理解していても、実際に手に持ってみると、改めて新型iPod touchの軽さに驚く。ポケットに入れてしまうと、その存在をほとんど意識しないかもしれない。
今回iPod touchで初めて、5色(ブラック、グレー、ブルー、イエロー、ピンク)+1色(Apple Store限定のレッド)のカラフルなバリエーションがラインアップされたのもポイント。表面塗装ではなくアルミニウム素材に直接着色したとのことで、キズがついて色がはげる心配はしなくてよさそうだ。外装のフチ(液晶ディスプレイ側)が美しく面取りされ、光の加減でエッジが強調されるのもかっこいい。
640×1136ドットのRetinaディスプレイ(326ppi)を採用したのも目を引く。高解像度の写真はもちろん、アスペクト比16:9の画面は映画などを見る際にうってつけだろう(ちなみに、640×1136ドットの画面に最適化されていないサードパーティのアプリは、画面両端に黒い帯を入れた処理になる)。また、iPhone 4Sと同じデュアルコアのA5プロセッサを搭載したことで、旧モデルに比べて処理性能が最大2倍、グラフィックス性能は最大7倍に向上したという。実際に使った印象では、iPhotoでの画像編集などもきちんと行うことができ、ほとんどの操作は快適だった(ただ、マップアプリではわずかながら待たされるケースもあった)。
内部システムの強化により、SiriやAirPlayミラーリング、新機能のパノラマ撮影が利用できる点も見逃せない。特に従来の7倍の解像度を持つ500万画素iSightカメラを“縦位置”で使うパノラマ撮影は、出来上がりが高精細で秀逸の一言。撮影方法も画面に表示されるガイドに沿ってカメラを水平移動するだけと非常に簡単で(カメラの動きに合わせて「ゆっくり」、「下に動かす」といったアラートも出してくれる)、これまでパノラマ撮影のためにサードパーティ製のアプリを使っていた人は是非試してほしい機能だ。また、カメラの高画素化にともなって、1080pでの動画撮影が可能になった。カメラ自体はiPhone 5の800万画素に比べれば劣るものの、Retinaディスプレイの採用にあわせて静止画/動画撮影機能が強化されているのはうれしい。
もう1つ、新型iPod touchで注目したいのは、ボディ背面の左下にあるボタンだ。このボタンを押すと「iPod touch loop」と呼ばれるストラップを装着するための突起になり、ストラップを使わないときはボタンをもう1度押し込むことでフラットな状態に戻せる。「本体が軽すぎて動画撮影時などにホールド感がなくて不安」という人は利用するといいかもしれない。個人的にはストラップの必要性を感じないものの、今後この仕掛けを利用したユニークなサードパーティ製品が出てくることも期待したい。このほか、今回発表された製品共通のトピックとして、8ピンの「Lightningコネクタ」が採用され、新型イヤフォン「EarPods」が付属している。
新型iPod touchの価格は32Gバイトモデルが2万4800円、64Gバイトモデルが3万3800円。9月14日からApple Storeで予約を開始し、10月後半に発売される予定だ。
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