麻倉氏: パナソニックのBDレコーダー最上位モデル「DMR-BZT9300」にも4Kアップコンバート機能が搭載されました。自社製品の4Kプロジェクターは持っていないのに作ったところがユニークです。パナソニックに話を聞くと、ソニーの「VPL-VW1000ES」を使い倒して画作りをしたそうです。確かに4K入力対応のHDMI端子を持つ表示機器はVPL-VW1000ESしかありませんから、当然といえば当然ですが。
DMR-BZT9300では、デュアルコアになったシステムLSI「新ユニフィエ」を用い、クロマアップサンプリングで4:2:2にする際、ハイビジョン領域の色信号補間を経ずにデコードしたハイビジョン信号からダイレクトに4Kアップコンバートします。それにより、自然な質感と立体感を持つ映像を出力できるそうです。
実際の映像を見ると、ソニーのようなすさまじい立体感とは違いますが、これもナチュラルで味わいの素敵な4Kです。とくに色再現が素晴らしい。4Kになって、より引き立てられます。これは偶然ですが、パナソニックも中域を上げるか、高域を上げるか選択できです。もっとも、VPL-VW1000ESを使って画作りをしたのですから、両社の開発者が同じことを思いついても不思議はありませんね。そういうところも面白いと思いました。
麻倉氏: まとめると、去年までの4Kプロジェクターは、プロジェクターという世界の中で最大限に価値を上げてきましたが、今年はレコーダー(プレーヤー)とプロジェクターというように、システム単位で画質調節が行えるようになったのです。ユーザーは、自分のほしい映像が得られる。大きな画面で見たときの快適な映像が容易に作れるようになり、明らかに表現力が向上したといえるのです。
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