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ソニー、“新映画画質”のフラグシップBDレコーダー「BDZ-EX3000」

» 2012年09月18日 20時18分 公開
[ITmedia]

 ソニーは9月18日、Blu-ray Discレコーダーの新製品7機種を発表した(関連記事)。最上位モデルの「BDZ-EX3000」は、外観こそ従来機のイメージを踏襲しているが、進化した映像エンジン「CREAS Pro」を搭載し、4Kアップコンバート出力にも対応する画質重視モデルだ。価格はオープンプライスで10月13日に発売予定。店頭予想価格は30万円前後となっている。

「BDZ-EX3000」

 従来機「BDZ-AX2700T」を踏襲した重厚な筐体(きょうたい)は、4ミリ厚のアルミ製天板や偏芯インシュレーターなどぜいたくな仕様。さらに今回は、適度な振動減衰特性を持つBMC材(Bulk Molding Compound)のサイドパネルを採用し、外部からの振動を中に伝えにくくなった。

「もくじでジャンプ」の例。番組のメタデータを利用し、目的のシーンにジャンプできる

 内蔵HDDは3Tバイトで、3番組の同時録画をサポート。同時発表の7製品と同様、USB外付けHDDの制約が減り、自動録画機能「おまかせ・まる録」の録画や外付けHDD内の録画番組をDLNA/DTCP-IPで配信できるようになった。またテレビ番組のメタデータを活用して“頭出し”などを可能にする新機能「もくじでジャンプ」、スマートフォンの「Xperia」や同社製タブレット端末に無線LAN経由で録画番組を転送する「ワイヤレスおでかけ転送」なども搭載。無線LANも内蔵している。

4新しい映画モード搭載

 映像エンジン「CREAS Pro」は、4K時代に合わせて4Kアップコンバート映像の出力に対応した。映画BDなどを4Kテレビやプロジェクターへの出力することを想定したもので、単なるアップスケールではなく画素単位の映像解析による超解像処理「超解像 for 4K」を行う。また超解像処理は「0」から「3」までの4段階の調整が可能だ。「4Kテレビの少ない現状では利用する機会はまだ少ないが、未来への投資という意味を込めて採用した」(ソニー)という。

 もう1つの特長は、DVDや地上デジタル放送といった“フルHD未満”の画質を底上げすること。デジタル放送やDVDの圧縮に伴いエッジ周辺のリンギング(疑似輪郭)やモスキートノイズを除去するノイズリダクション機能を新搭載。エッジ周辺を広い範囲で映像解析し、輪郭のエッジ強度に応じて平たん化処理を行ってリンギングを軽減する。これは、とくにDVD再生時の疑似輪郭に有効だ。また、デジタル放送で多く見られる平たん部のブロックノイズに対しては、映像の平たん度合いに応じて高域ノイズを除去する処理を追加。滑らかな画質を実現するという。

リンギングノイズ除去とデジタルノイズリダクションのイメージ

 フルHDのBD-ROM映像にも手を加えた。新しい映画向けの画質モードには、「ノーマル」モードと「ハイレゾ」モードを用意。ハイレゾモードは4Kカメラ撮影や4Kリマスターの映画BDなど、もともと高い解像度を持っていた素材向けに開発したものだ。それぞれの味付けは「ノーマルは太い輪郭を抑えて高精細で自然な画質に、ハイレゾモードは情報量の多さを際だたせた精細感の高い画質」(同社)としている。

 音質面では、手軽に使えるバーチャルサラウンドが新しい。これは、ヘッドフォンやテレビの2chスピーカーで仮想的な最大7.1chサラウンドが楽しめるというもので、「AVルーム」「シアター」「リビング」の3モードを用意。ソース映像に合わせて選択できる。シアターは、適度な広がりを持ち、迫力のある映画向き。AVルームは音の質感を生かすというモードで、音楽やコンサートなどに適している。そしてリビングは、登場人物のセリフや音楽ビデオのボーカルを強調するモードだという。

 このほか、圧縮音声の再生時に自然な音を再現する「Harmonics Equalizer」も搭載。時間軸方向の波形応答を改善し、圧縮時に失われた微小振幅を補完することで、圧縮前の音に近づける。

 HDMI出力は2系統。ほかにコンポジット映像入力、光/同軸のデジタル音声出力、2系統のUSB端子、i.Link端子などを装備した。外形寸法は、430(幅)×288(奥行き)×81(高さ)ミリ。重量は約6.1キログラム。

 なお、ソニーでは今回リリースしたBlu-ray Discレコーダーを9月19日から東京・銀座のソニーショールーム、ソニーストア大阪、ソニーストア名古屋の3カ所で先行展示を行う。

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