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300万会員を目指す「ひかりTV」事業戦略、4Kトライアルも実施

» 2013年04月17日 23時35分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 NTTぷららは4月17日、事業戦略説明会を開催して同社が運営するIPTVサービス「ひかりTV」の事業方針を明らかにした。2013年3月末時点で245万会員と「国内最大のIPTVサービス」に成長したひかりTVは、Android4.0を搭載した新チューナーやテレビ初の「クラウドゲームサービス」など、新しいハードとサービスを追加して会員増を目指す(→別記事を参照)。また将来の4Kサービスに向けたトライアルについても明らかにした。

Android4.0を搭載した「スマートテレビ対応新チューナー」(左)。NTTぷららの板東浩二社長(右)

 ひかりTVでは現在、IP放送とVOD(ビデオ・オン・デマンド)の両方を手がけているが、CS系専門チャンネルを中心にラインアップするIP放送では、全93チャンネルの85%がハイビジョン化を完了したという。一方のVODでは全3万本のコンテンツをそろえ、“見放題”サービスにも8000本をラインアップ。同社の板東浩二社長によると、「VODの再生回数が月間2000万回を超えてきた。新しいVODマーケットの構築ができたと思っている」と振り返る。

 最近では、スマートフォンやタブレッを含む“マルチデバイス対応”の確立に加え、聴き放題の音楽配信サービス「ひかりTVミュージック」や電子書籍事業の「ひかりTVブック」といった新しいビジネスを追加しているが、さらに加速させるために投入するのが、新しいAndroid搭載の「スマートテレビ対応新チューナー」だ。

 6月3日から提供を開始する新チューナーでは、テレビサービスの2番組同時録画といった利便性向上に加え、独自アプリへの対応、「クラウドゲーム」や「ソーシャルVOD」といった新しいサービスを取り込む。中でも約50タイトルが月額525円で“遊び放題”となるクラウドゲームサービスは「キラーアプリだ」(板東氏)という。発表会にはゲームタイトル「プロ野球スピリッツ LIVING MANAGER」を提供するコナミと「人生ゲーム×ひかりTV」のタカラトミーエンタメディアの担当者も登場し、「家庭用ゲーム機と遜色のない映像」や「リモコンで遊べる」といったクラウドゲームのメリットを紹介した。

 また、2013年度第4四半期をメドに「4Kトライアル」を実施する計画。「これまで培ったノウハウやNTT東西の光回線を生かし、次世代コーデックであるHEVC/H.265による4KのIP配信を目指す」(同氏)。コンテンツについては、自主制作も行う。ひかりTVとして「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」に協賛し、ボブスレー映像の4K制作を手がけるという。

夏にはマルチデバイス対応にPCが加わる(左)。「下町ボブスレー」をテーマにした4Kコンテンツを制作(右)

 このほか、PC向けの映像配信サービスを第2四半期に提供することや、VODへのダウンロードレンタルメニュー追加、ひかりTVミュージックでの楽曲個別課金対応(第3四半期)など、さまざまなサービス開発スケジュールを明らかにした同社。新サービスなどの提供により、「2014年3月末に300万会員」を新たな目標として掲げた。

サービス開発スケジュール(左)とこれからの取り組み(右)

 「ひかりTVは、人々の生活に密着したサービスを展開する。最終的には、テレビを超えて、“総合ライフエンターテインメントサービス”を目指す」(板東氏)。

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