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インタビュー
» 2013年09月24日 15時35分 公開

ゲーマーに福音となるか? 「DTS Headphone:X」の新技術を体験 (2/2)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 通路を走り抜ければ、アナウンスの声は前方から頭の後ろへと移動し、ビルの上階から下の戦場を眺めれば遠くで着弾の音がする。FPSは普段やらないのであまりシビアな目でチェックできなかったが、近づいてくる敵の方向も分かるため、腕のある人にとっては、かなりの武器になると思う。

音は聞こえても腕が伴わないと負ける。少なくとも臨場感という点で通常のヘッドフォン(ステレオ)とは段違いだ

 次に「ルームプロファイル」と呼ばれるパラメータのセットを切り替えて聴き比べる。1つめのプロファイルは、米DTSのロサンゼルス本社にあるデモルームを再現したもの。視聴室らしく残響音のほとんどないデッドな環境だ。2つめは、ロスで開催されたE3のデモ会場を再現したプロファイルで、広い会場ならではの響きが残るという。しかし実際に聴き比べると、響きもさることながら「部屋の大きさがまるで違う」と感じることに驚かされた。とりあえず、DTS本社のデモルームはあまり広くなさそうだ(失礼)。

 このようにルームプロファイルを作りさえすれば、有名なホールやシアターの音場を忠実に再現できるため、AVアンプが搭載しているサウンドモードのように音場を切り替えて楽しめる。また今回のデモを体験したゲームデベロッパーからは、このルームプロファイルの切替をゲーム内で使えないかという声も上がったという。シーン毎にプロファイルを変更すれば、容易に雰囲気の違いを演出できるからだ。

年内に体験できるかも

 では、一般ユーザーはいつDTS Headphone:Xを活用できるようになるのだろうか。

 まずDTSにとっての追い風は、スマートフォン向けマルチコアアプリケーションプロセッサ市場で首位のクアルコム(Qualcomm)が、2013年後半に出荷を開始する次世代プロセッサ「Snapdragon 800シリーズ」で、DTS Headphone:Xを標準機能として盛り込んだことだ。もちろん、実際に販売される製品(スマホやタブレット)でサポートするかはメーカー次第だが、東京ゲームショウでのスマホ向けゲーム市場の盛り上がりを見ると期待が持てそうだ。

 また、ゲーム用ヘッドセットで有名な米Turtle Beach(タートルビーチ)は、DTS Headphone:X対応の製品を年内にも出荷する計画。この製品の場合、信号処理を行うコントローラーと専用ヘッドフォンがセットになっているため、手持ちのヘッドフォンを使えるわけではない。それでも手軽にサラウンドを楽しむ有効な手段になりそうだ。

 「たとえ立派なサラウンドシステムを持っていても、防音室でもない限り、夜中に大音量でゲームをするわけにはいきません。Turtle Beachの製品はまだ見ていないので詳しいことはいえませんが、手軽にサラウンドが楽しめて、FPSでは弾がどこから飛んでくるかが分かります」(同社)。ゲームファンにとっては注目の製品といえそうだ。

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