日本テレビ放送網は、11月15日に開催した「JoinTVカンファレンス2013」で、同社のソーシャル視聴サービス「JoinTV」を活用した新しい広告・販促モデル「O2O2O」を推進する戦略的なプロジェクトを発表した。あわせて、同プロジェクトに参画するパートナー企業3社も明らかにした。
「O2O2O」とは、“Onair to Online to Offline”の略。放送から通信を介してリアルスポットへ至る人の流れを表現したという。つまり、番組やCM(オンエアー)を見た人に、ネット上の情報(オンライン)に触れてもらい、さらに実店舗やイベントなど(オフライン)に誘導する仕組み。テレビのスマート化の流れで注目されてきたJoinTVだが、新しいビジネスとして本腰を入れる。
「近年、テレビを見ながらスマートフォンをいじる人が増えた。JoinTVのプラットフォームを中心にAPIでデバイスをつなぎ、効率的な広告展開や消費者との豊かなコミュニケーションを実現する」(同社編成局メディアデザインセンターの若井真介センター長)。
ただし、プロジェクトの実現には膨大な量のデータ処理やほかのプラットフォームとの接続といった課題もあるという。そこで紹介されたのが、3社のパートナー企業。企画制作会社のバスキュール、駅や空港、列車内などの公衆無線LAN網の開発で実績を持つビーマップ、そして日本マイクロソフトだ。
バスキュールは、番組と連動したスマホアプリなどを開発するとともに、同社が持つ「MIES」(Massive Interactive Entertainment System)プラットフォームをJoinTVに融合させる。マイクロソフトは、ビッグデータの収集や解析に関わるクラウドプラットフォームを提供する(SQLサーバなど)。ビーマップは、公衆無線LAN網や同社の「スマートプッシュ」技術を提供。スマートプッシュは、スマートフォンが公衆無線LANに接続するとき、ユーザーが許可するとメッセージを画面に表示できるという。
例えば、ある番組の視聴者がスマートフォンでアンケートに答えると、駅やコンビニの無線LANでクーポンを入手できるようになる。またグルメ番組を見て気になるお店の情報をクリップしておくと、街でその店の近くを通ったとき、GPS情報を元にスマートフォンがリマインドしてくれるといった具合。テレビの番組やCMから実店舗への集客が可能になるという。
若井氏は、昨年実施したヱヴァンゲリヲン企画を振り返り、「翌日から公開が始まった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q』の劇場で話を聞いたところ、1/4の人がヤシマ作戦に参加してくれていた。それなら、劇場にいくと特典やクーポンが入手できるといった連携手法も考えられる」としている。
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