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拡張現実をメガネ感覚で――シースルータイプのヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO BT-200」電脳メガネまであと少し?(1/2 ページ)

» 2014年01月28日 16時41分 公開
[ITmedia]

軽く、使いやすくなったシースルーモバイルビューワー「MOVERIO」新モデル

MOVERIO BT-200

 エプソンは1月28日、ヘッドマウントディスプレイ「MOVERIO」シリーズの新モデルとして「BT-200AV」と「BT-200」を発表した。実売予想価格は、HDMI接続用アダプタ(ワイヤレスミラーリングアダプタ)を付属する「BT-200AV」が8万円後半、BT-200が6万円台後半になる見込み。4月24日に発売する。

 MOVERIOは、同社が「スマートグラス」と呼ぶサングラスタイプのウェアラブル情報端末。グラスを通して見える風景の中に映像が浮かび上がるシースルータイプのヘッドマウントディスプレイ(HMD)だ。新モデルでは、ヘッドセット部分の重量を、従来の約240グラムから約88グラムに軽量化したほか、投影映像の輝度を従来比2倍の600カンデラに引き上げ、シェードを装着しなくても映像がはっきりと見えるようになっている。

 また、IEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth V3.0を内蔵し、接続機器を拡大。スマートフォンとダイレクトに接続できるWi-Fi- Miracastに対応するほか、HDMI出力機器へ接続するワイヤレスミラーリングアダプタを付属したモデルも用意する。

 さらに今回、GPS、地磁気センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーなど各種センサー(GPS以外はヘッドセットとコントローラの双方)を搭載し、これらのセンサーに対応するAndroidアプリを利用できるのもポイント。ジャイロを使って、拡張現実を応用したシューティングゲームなど、MOVERIOならではのアプリを楽しめる。新たに30万画素カメラを内蔵し、QRコードの読み取りや静止画/動画撮影に対応したのもトピックだ。

 なお、液晶パネルのサイズはアスペクト比16:9の0.42型ワイドで、解像度は従来と同じ960×540ドット。仮想視聴距離5メートル時に80型相当、20メートル時に320型相当のスクリーンとして投影される。また、サイドバイサイド方式の3Dコンテンツにも対応する。

目の前に浮かぶ映像を視聴しながら、周囲の状況も確認できるシースルー型のヘッドマウントディスプレイ(写真=左)。プロジェクター市場で高いシェアを持つエプソンがこれまで培ってきた光学技術、マイクロディスプレイ技術が応用されている(写真=右)

映像への没入感を調整できるシェードを2種類付属。スクリーン周囲の視界をさえぎるシェード(ダーク)を装着すればホームシアター向けヘッドマウントディスプレイのような体験になる。ちなみに輝度が向上したため、シェードを装着しない状態でも、映像を見やすくなっている(写真=右)。メガネ着用者向けにレンズホルダーも用意。市販のレンズをメガネ店ではめてもらえば、ヘッドセットの内側にホルダーを装着できるため、より違和感なく映像を楽しめる(写真=右)

実際に試用してみたところ、まず何よりも驚いたのがその軽さ。前モデルは重量のせいで長時間の利用が厳しい印象があったが、これなら映画1本視聴しても大丈夫そう。ちなみに筆者はメガネをかけているが、鼻パッドの部分が自由に変形できるタイプに改良されていたため、レンズホルダーを使わなくてもメガネの上からBT-200を装着できた。ちなみにフレームを軽く2度たたくと映像/音声を遮断する、といったように、内蔵センサーを利用した機能もおもしろい。ただ、BT-200を装着したままの歩行などは想定されていないため、情報端末としての利用よりもAV用途が中心になりそうだ

 コントローラー部分は、OSにAndroid 4.0を採用し、トラックパッド式のユーザーインタフェースで操作する仕様になっている。従来モデルに比べて入力域が拡大したほか、マルチタッチ入力に対応し、スマートフォンと同じような感覚で操作できる。

 プリインストールアプリは、写真/動画ビューワーや、音楽プレーヤー、Webブラウザをはじめ、メーラーやファイルマネージャーなど基本的なものを用意。Google Playには非対応だが、同社が独自にMOVERIO APPS Marketを用意して開発者を募り、4月発売時に30程度のMOVERIO向けアプリをそろえるという。MOVERIO APPS Marketの登録アプリは順次増加するとのことだが、ユーザーapkを直接インストールことでサードパーティ製アプリも利用できる。

 内蔵メモリは、メインメモリが1Gバイト、ユーザーメモリが8Gバイト。コントローラ部にmicroSDスロットを備え、最大32Gバイトのメモリ領域を用意できる(microSDHC対応)。対応フォーマットは、動画がMPEG4(MPEG4+AAC/Dolby Digital Plus)、MPEG2(H.264+AAC/Dolby Digital Plus)、静止画がJPEG、PNG、BMP、GIF、音声がWAV、MP3、AAC、Dolby Digital Plus。本体サイズは、ヘッドセット部が185(幅)×170(奥行き)×32(高さ)ミリだ。バッテリー駆動時間は約6時間(連続動画再生時)。

コントローラ部のサイズは55(幅)×120(奥行き)×19(高さ)ミリ、重量約124グラム。片手でホールドしやすいサイズ。左手で背面を支え、左の親指で前面のトラックパッドを操作したり、右手の人差し指でタップするといったように、スマートフォンのような操作感だ。前面下部にMENUとHOME、BACKキーが並び、右側面にmicro USBと上/下キーがある

前面上部は電源投入時に青く光るLED、本体上面は電源スイッチがある。左側面はmicro SDスロット(micro SDHC対応)があり、ストレージとして利用できる

約30万画素のフロントカメラを内蔵。画素数は低いがこれはカメラをセンサーとして捉えた開発コンセプト(QRコードの読み取りなどが主用途)ためだという。ちなみに撮影時はLEDが緑色に点灯するが、シャッター音はない(写真=左)。ワイヤレスミラーリングアダプタを付属するBT-200AVも用意。レコーダーで録画したコンテンツやBlu-ray作品も楽しめる(写真=右)

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