世界初のシースルーHMDで「いつでもどこでも大画面」を体験した「MOVERIO」発表会(1/2 ページ)

» 2011年11月09日 22時51分 公開
[後藤治,ITmedia]

エプソンから近未来っぽいHMDが登場

世界初のシースルーHMD「MOVERIO」

 エプソンは11月9日、シースルーモバイルビューワー「MOVERIO BT-100」を発表した。装着時に視界を遮らないシースルータイプの製品で、民生用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)としては世界初という。価格はエプソンダイレクトショップで5万9980円。11月25日に発売し、今後1年間で1万台の販売を目指す。

 製品発表会の冒頭に登壇したエプソン販売代表取締役社長の平野精一氏は、「エプソンがこれまで培ってきた光学技術をはじめ、各種技術を総結集して作り上げた」とMOVERIOを紹介。「映像を中心としたさまざまなコンテンツを、場所や時間にしばられず、自由に楽しめるようにしていく。また、シミュレーションやバーチャルナビゲーションといった新しい可能性も広げていきたい」と述べ、シースルータイプのモバイルHMDが実現した新しい映像体験のメリットをアピールした。

「映像を使うすべての楽しみを広げていく」と語るエプソン販売代表取締役社長の平野精一氏(写真=左)。エプソン販売ビジュアルプロダクツ事業部副事業部長の森山佳行氏は、「MOVERIO」の名前の由来を、「どこにでも連れ出していただきたい」(同氏)という気持ちを込めて、「MOVE」「MOVER」「MOVIE」や「IO」(Input/Outputインタフェース)といった単語を組み合わせたものと語った(写真=中央)。イメージキャラクターはプリンターでもおなじみの黒木メイサさん(写真=右)

Android 2.2を採用し、無線LAN機能を搭載――映像やWebを大画面で楽しめる

 MOVERIO BT-100の製品説明は、同社ビジュアルプロダクツ事業部の森山佳行副事業部長が担当した。BT-100の表示解像度は960×540ドットで、視聴者の視点が2メートル先で40型相当、20メートル先で320型相当と、遠くを見るほど画面サイズが“大きく見える”のが特徴。サイドバイサイドの3D映像表示にも対応する。

 ディスプレイ部と専用ケーブルで有線接続された専用の本体(映像を出力するプレーヤー兼コントローラー)はOSにAndroid 2.2を採用し、映像/画像の再生だけでなく、Webブラウズや各種アプリも利用可能だ。また、HMD部にヘッドフォン出力を装備し、Dolby Mobileに対応した臨場感のあるサラウンドも楽しめるという。

 バッテリー駆動時間は動画ファイルの連続再生時で約6時間。本体サイズと重量は、HMD部が205(幅)×178(奥行き)×47(高さ)ミリ、240グラム(ケーブル含まず)、本体部が67(幅)×107(奥行き)×19(高さ)ミリ、165グラムだ。

 なお、BT-100はネットワーク機能として、IEEE802.11b/g/n対応の無線LANを搭載しており、無線LAN環境下では自由にWebブラウズやメールの閲覧などが行えるが、Android Marketには対応せず、アプリのインストールは本体のmicro SDメモリーカードスロットかPCと接続されたMicro-USB経由、もしくはDropBoxやSugarSyncなどの同期型サービスを使ってAPKファイルを移動する必要がある。

プロジェクターの光学技術をはじめ、光学系の成形技術や高精細ディスプレイ技術、画像処理技術など、さまざまな分野の技術を結集したという

投写された映像が視界を妨げずに目の前に浮かぶ、民生機では従来にない映像空間を体験できる(スライドは表示イメージ)

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