毎回盛況となるカスタムIEMコーナーでも、注目の新モデルが投入された。ドイツ西部の古都ケルンに本拠地を置くVISION EARSからは、沖縄会場で新しくお目見えしたBA 5ドライバー機「VE5」が札幌会場にも持ち込まれた。eイヤホンでカスタムIEMの取り扱いを担当する加藤紗也子氏によると、今回用意された試聴機はイベント当日時点で日本に唯一のものだという。カスタムIEMブースを訪れた参加者は熱心に試聴しており、中には早速「VE5」の購入を検討する人もいた。
UltimateEarsの最上位機種「UE Personal Reference Monitor」も会場での注文を受け付けていた。低中高各音域の強弱まで細かくオーダーできることが同機の特徴だが、札幌会場にも専用のオーダーマシン(これも日本に2台しかない)が持ち込まれた。
「この機械はUE謹製で、左右それぞれのロー・ミッド・ハイの出力特性が細かく調整できます。元がイヤーモニターなので、ほとんどの人が調整していくうちに全部のダイヤルを標準値の50に近づけていくのですが(笑)。普段は東京の秋葉原と大阪の日本橋に置いていますが、日本にあるのはおそらくその2台だけ。実は今まで全ての会場に持ち込んでいましたが、アルミ削り出しの筐体が大きくて重いので、置いておくスペースがなかなかなかったんです」(加藤氏)。
他の会場同様に、これだけの規模でヘッドフォンやイヤフォンの試聴が行えるのは、やはり貴重な機会だ。札幌には大手量販店が市内に複数あり、オーディオコーナーで製品を体験することはできる。しかし他の地域と同様、やはり高級機や高額なアクセサリーは試聴機がないか、ガラスケースに入っているのが普通だ。来場者からは、高価格帯になるほど製品体験のハードルが高くなるという意見が多数聞かれた。
例えば、1964earsのカスタムIEMを愛用していた参加者は、知り合いのメガネ屋でインプレッション(耳型)を採ってもらい、国内代理店を通さずにインターネットで直接本社にオーダーをかけたという。カスタムIEMという存在そのものを知らない友人も多いらしく、実物を見せて驚かれ、価格を教えて更に驚かれるということが日常茶飯事だと笑いながら話していた。
入り口で来場者を迎えていたeイヤホンの松田信行氏と話し込む参加者も少なくはなく、同好の士が集まる空間そのものが貴重だという話もあったという。「地元にコミュニティがほしいとか、市場が拡大してもっと面白いものがいっぱい出てきてほしいとかいった熱心な意見が聞かれました。地方になるとイヤフォンやヘッドフォンを語れる仲間をみつけるのが難しいみたいですね。どの会場でもそうですが、次回も是非来てほしいという歓迎の声を多数いただいています」(松田氏)。
次回は5月30日土曜日。eイヤホンの本拠地である大阪の、難波御堂筋ホールでの開催だ。「大阪はわれわれのお膝元ですから、否が応でも気合が入ります。ツアー最大の規模を予定していますので、楽しみにしていてください!」(松田氏)。
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