iVDRコンソーシアムは6月5日、東京・秋葉原で「iVDR EXPO 2015」を開催し、ハイレゾ音源に対応する拡張規格「iVDR TV-Recording規格 Ver.2.40」を発表した。あわせてマクセルから対応プレイヤーも登場する。
iVDR(intelligent Versatile Disc for Removable)は、著作権保護機能を持つリムーバブルハードディスク。2007年に初の市販製品が登場してから、これまでに録画機能付きテレビやHDDレコーダーなどのiVDR機器約300万台が出荷されている。
iVDRコンソーシアムでは、昨年の「iVDR EXPO 2014」で4K映像やハイレゾ音声に対応する「iVDR TV-Recording規格 Ver.2.50」を推進すると表明したが、助田裕史理事長(HGSTジャパン)によると、「リムーバブルメディア向けの4K映像コンテンツ保護方式がまだ存在しない」という。このため、Ver.2.50の前段階として、映像はフルHDのままハイレゾ音声収録にのみ対応した「Ver.2.40」を策定した。Ver.2.40は、同日正式に発行。「今回は映像だけではなく、オーディオの高品質化にも注目しようという提案だ」(助田氏)。
Ver.2.40では、リニアPCMの96kHz/24bitで7.1ch、192kHz/24bitなら5.1chまでのマルチチャンネル収録をサポート。さらに動画もコーデックはMPEG-2/H.264のままだが、ビットレートは従来(Ver.2.36)の最大24Mbpsから最大40Mbpsへ拡張しており、「ハイレゾ+高ビットレートの2K映像が楽しめる」のがメリットとなる。
また、既に世に出ている300万台以上のプレイヤーとの下位互換性を保つため、非ハイレゾ音声とのハイブリッド収録も可能にした。例えばハイレゾ音源とフルHD映像の組みあわせなら1時間あたりの容量は約20Gバイト、ハイブリッド構成でも約30Gバイトのため、1Tバイトメディアを使用すれば十分に長尺コンテンツを収録できるという。
日立マクセルからは、Ver.2.40に対応したプレイヤーも登場する。といっても新製品ではなく、昨年発売した「VDR-P300」をアップデートしてハイレゾ音源に対応させるという。リニアPCMの96kHz/24bitで7.1ch、192kHz/24bitなら5.1chまでのマルチチャンネル再生が可能。8月から新ファームウェア搭載モデルの出荷を開始するという。
また、ユーザーがネットで購入したハイレゾ音源ファイルをPCを介してiVDRに書き込むことが可能。それをiVDRプレーヤーに挿入すれば、PCを立ち上げなくても手軽にハイレゾ音源を再生できるようになることもアピールした。
ただし、iVDRコンソーシアムとしては、4K映像に対応することをあきらめたわけでない。助田氏が示した今後の規格化ロードマップには、4K対応のVer.2.50に加え、8KまでサポートするVer.3.00も記されていた。「高精細/高音質な録画の規格化は、業界の合意形成に合わせて推進していきたい」(助田氏)。
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