今回の名古屋進出は、今年3月の「ポタフェスLimited名古屋」の盛況を受けて急きょ計画されたもの。「実際の準備期間は2カ月ほどしかなかったんです」と話すのは、名古屋大須店の中村拓哉店長だ。オープン当日はエスカレーター側入り口のイベントスペース空間が準備中だったり、ほかのスタッフからは「店長が死にそうだった」などといった声も聞かれたりするなど、開店までのスケジュールの過密ぶりが伺われた。
中村氏によると、店舗スタッフの6〜7割ほどは地元の名古屋で新規採用したスタッフだという。地元のオーディオ情報発信基地を目指すべく、オープンにあたっては日本橋や秋葉原の店舗で研修を行ったという。
中村氏は、「少しずつ女性も入りやすい環境を作れると良いと思っています」と、従来の店舗とは異なる方針。「そのためスタッフの新規採用にあたっては女性を多くしました。オーディオというと男性の趣味で、従来の店舗は女性が入りにくい雰囲気だなと思っていました。ですが女性でもいったん興味を持てば『行くところまでいく』と思うんです。問題は初めの一歩で、新店舗がきっかけになればと思います」(中村氏)
中村氏の期待を後押しするかのように、取材に訪れていた東海テレビの女性リポーターは「わあ、ぜんぜん違う! いつも使ってるのと比べてすっごい響く」「私、イヤフォンとか全然詳しくないんですけど、違うっていうことだけはよく分かります。イヤフォンって凄いですね」と感嘆の声をあげていた。
「音楽好きだがイヤフォンにはあまりこだわっていなかった」「専門店って面白そうと思って応募した」というスタッフが集まる新店舗。来店客の年齢層も幅広いため、大阪や東京とは違う独自の色を出していきたいという声も聞かれた。新規スタッフの菊池絢菜さんは、「こちらの想像以上にお客さんがいらっしゃっていますね」と驚く。「お客さんから、『待ってました』という声をいただくのがとてもうれしいです。70代のおばあさんが自前のウォークマンで熱心に試聴していらっしゃったり、海外の方が『こんなにたくさん試せるなんてスゲー!』などという声を聞いたりすると、音楽にボーダーはないんだなと感じますね。ここは名古屋で唯一、全国でも数少ないイヤフォン専門店。お客様からの支持を集めた製品を比較するコーナー作りをこれからしてみたいです」(菊池さん)
専門店のサービスが名古屋で展開されることを喜ぶ声もある。秋葉原や日本橋にも遠征をするという愛知県在住の来店客は、「これで特価品のために遠征しなくてすみます。またクリニックコーナーが常設されているので、修理が楽になったのがうれしいです。特にカスタムIEMは1度修理依頼を出すと戻ってくるまで時間がかかりますから、店頭ですぐに対応してもらえるのはありがたいですね」と話す。「大須は名古屋の遊べるスポットど真ん中ですから、イヤフォンファンとしていろんな人に来てもらえることを期待したいです。試聴できる展示機が多く、広くて落ち着く空感なので、今度友人を連れてこようかと思います」
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