TOP WINGブースでは、英iFi-Audioのバランス接続対応ヘッドフォンアンプを参考展示している。これまでのiFi製品とは毛色の異なるガンメタリックのボディーに真空管を搭載したアナログヘッドフォンアンプだ。DACなどは内蔵していない。
実はこの製品、「秋のヘッドフォン祭」にも展示され、出荷間近という雰囲気だったが、バランス接続端子の種類をめぐって開発側の意見が分かれ、発売が延期されているという。現時点では2016年の春(3〜4月)に発売できる見通しだ。
最後に取り上げるのは、おそらく最もポータブルに適していない製品だ。デノンが参考展示した「DNP-X」(仮)は、430mm幅のフルサイズを採用したネットワークプレイヤー兼ヘッドフォンアンプ。オーディオ用の大きなトランスを搭載しているため、高さもある。
ユニークなのは、ヘッドフォンアンプとして米CSRのフルデジタルアンプ、DDFA(Direct Digital Feedback Amplifier)を採用していること。ちょうど1年前の「第6回ポタフェス」で発表されたデスクトップ用プリメインアンプ「PMA-50」と同じデバイスだが、DDFAは本来、スピーカーを駆動するためのアンプだ。ヘッドフォンにはかなりのオーバースペックといえる。
デノンはPMA-50の経験を通じ、オリジナルのフィードバック回路による静特性と低ジッター、デジタル信号を直接入力して内部35bit処理を行うといったDDFAの特徴を高く評価。ヘッドフォンアンプへの流用はデノン側から提案したという。CSR側も驚いたのではないだろうか。
DDFAの採用により、「DNP-X」(仮)はヘッドフォンアンプでありながら最大で1.5ボルトもの電圧をかけることが可能で、幅広いヘッドフォンを余裕で駆動できる。ゲインやダンピングファクター、トーンコントロールなどを細かく調整できる点も特徴だ。
「シングルエンドではあるが、フルデジタル。PMA-50のクオリティーをヘッドフォンでも楽しめる。昨今のバランス接続ブームに対するデノンならではの提案といえる」(デノン)。
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