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振動によるノイズを抑制する新発想のスピーカーケーブル、ジャパンファインスチールから

» 2016年01月15日 21時28分 公開
[ITmedia]

 細線ワイヤー製造メーカーのジャパンファインスチールは1月15日、音響ブランド「JFSounds」を立ち上げ、オーディオ用ケーブル市場に参入すると発表した。第1弾製品は、マグネシウムを使用した新しいコンセプトのスピーカーケーブル「SIN-KAI MS227C」で、1月27日に発売する予定だ。価格は1mあたり2900円。

音響ブランド「JFSounds」のロゴ
スピーカーケーブル「SIN-KAI MS227C」

 ジャパンファインスチールは、半導体製造などに用いられるソーワイヤーのトップメーカー。ソーワイヤーとは、シリコンをウェハ状に切り分ける“マルチスライス加工”に使われる強じんなピアノ線で、引っ張り強度が3500〜4500MPa、長さ数百km、最小径50μmといった高い品質が求められる。同社はソーワイヤー製造に求められる伸線・メッキ・熱処理といった加工技術を生かし、加工が難しいとされているマグネシウムワイヤーの量産化に向けた技術開発を行ってきた。

純マグネシウムは振動吸収効果が高く、振動が早く収まる特性を持つ

 また同時に振動吸収効果が高いといったマグネシウムの特徴を生かした商品開発にも力を入れており、今回のスピーカーケーブルもその一環となる。「SIN-KAI MS227C」は、芯線として特に制振効果の高い純度99.95%のマグネシウムケーブルを用い、導体部分に伝わる振動を直接吸収するという新しい発想のスピーカーケーブルだ。さらに導体は、0.7mm径の「PC-Triple C」を6本撚り合わせた構成。プラスとマイナスの導体はスパンを広くとり、キャパシタンス(静電容量)を低減することで伝送損失を抑える。長く引き回しても特性の劣化が少ない構造だという。

「SIN-KAI MS227C」の構造イメージ

 同社では、新構造の音響ケーブル開発を進めており、今後は導体の販売やOEM供給も手がける計画。また音響関連商品をサイトを通じて販売するという。

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