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東芝、4Kテレビ「Z20X」シリーズをアップデート――HLG対応に加えて地デジ画質も向上

» 2016年07月29日 21時17分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 東芝は7月29日、4K液晶テレビ「Z20X」シリーズのファームウェアアップデートを8月下旬に実施すると発表した。「スカパー!プレミアムサービス」で開始するHybrid Log-Gamma(以下、HLG)方式の4K/HDR放送に対応するとともに、地上デジタル放送などHDRではない映像においても画質が向上するという。

4K/HDR表示のデモンストレーション

 HLGは、英BBCとNHKが共同開発した、主に放送をターゲットとしたHDR(ハイダイナミックレンジ)技術。従来より広いダイナミックレンジで自然な描写が可能になるほか、従来のテレビに表示したときでも違和感のない映像が表示できるのが特徴だ。国内では既にARIB(電波産業会)で標準化されており、7月29日に総務省の政令が出たことで放送事業に利用する環境が整った。NHKが8月1日に開始する「スーパーハイビジョン試験放送」でもHLGを活用する見込みだ(→関連記事)。

奥がSDR、手前がHDRの映像を表示した4Kレグザ「Z20X」

 スカパー!の4K/HDR放送は、4K専門チャンネルの1つ「スカパー!4K体験」において、10月4日から毎週火曜日と木曜日の夜に1時間ずつ放送する(→関連記事)。対応機器は、当初「65Z20X」「58Z20X」「50Z20X」の3モデルだ。

 スカパー!の新サービス発表会であいさつに立った東芝映像ソリューションの安木成次郎常務は、スカパー!4Kに対応するCSチューナーを内蔵したZ20Xシリーズと、その映像処理エンジン『4KレグザエンジンHDR PRO』」をアピール。「Z20Xのピーク輝度は1000nitsを超え、全白でも800nits以上。自社開発のハードウェア技術とソフトウェア技術でHDRコンテンツのポテンシャルを引き出す、スカパー!4KのHDR放送に最適なテレビだ」(安木氏)とした。

 また今回のファームウェアアップデートでは、4KレグザエンジンHDR PROの機能の1つ「質感リアライザー」のソフトウェアもブラッシュアップされ、地上デジタル放送など2Kに満たない映像の画質向上も図るという。東芝映像ソリューションの本村裕史氏は、「人物の肌や髪の質感などが、よりリアルに表現できる」と話している。

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