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価格を抑えた平面駆動方式のヘッドフォンに注目

» 2017年07月15日 21時45分 公開
[ITmedia]

 東京・秋葉原で7月15日に開幕したポータブルオーディオの専門イベント「ポタフェス2017 東京・秋葉原」。数々の新製品がお披露目される展示会だが、これまでより価格を抑えた平面駆動方式のヘッドフォンが目立った。そしてオプションのバランスケーブルにも新しい動きが見えてきた。

 例えばエミライブース。同社が扱う米MrSpeakersから密閉型のポータブルヘッドフォン「AEON FLOW」が同日発売された。4月下旬に開催された「春のヘッドフォン祭2017」でも展示されたもので、店頭価格は9万2000円前後(オープン価格)。消費税を加えても10万円で購入できるという。

米MrSpeakersの「AEON FLOW」

 AEON FLOWは、同社が特許を持つ「V-Planar」平面振動板や流体力学に基づく「True Flow」テクノロジーによる低歪(ひずみ)で自然な音が特徴。バンドワイヤーにはニッケルとチタンの合金を用い、バッフルはCFRP製、さらにバンドワイヤとハウジングを固定するヒンジを不要にするオリジナルパーツを設計するなどして軽さを追求した。重量は340gとなっている。

 ケーブルは着脱式で、ヘッドホン接続用端子もヒロセ電機製の4ピンプラグに変更するなど信頼性を向上させた。またエミライでは、ソニーが旗振り役となって進めている4.4mm径5極のバランスプラグを備えたオプションケーブルを準備中だ。AEON FLOWのみならず、既存のMrSpeakers製品向けのケーブルもラインアップする。

米Acoustic Researchの「AR-H1」

 またフロンティアファクトリーブースでは米Acoustic Research(AR)の開放型平面磁界駆動式ヘッドフォンの新製品「AR-H1」をお披露目した。同社では同方式のメリットについて、「音波が平面状に放出されることに加え、音響信号に対して非常にリニアに反応する。ダイナミックドライバーのヘッドフォンでは容易に失われてしまうような微細な音も再現できる」と話している。こちらは9月末に発売する予定で、価格は7万9800円(税別)。

 さらにエミライ同様、4.4mm径5極のバランスケーブルをオプションとして準備中している。「今後、OFC素材のスタンダードタイプや6N-OCC素材のハイグレードタイプなどを発売する予定だ」。平面駆動方式の高級ヘッドフォンは室内用途がメインだが、ポータブルと据え置き型の両方で使える4.4mm径プラグのケーブルはバランスが良いのかもしれない。

4.4mm径5極のバランスプラグを備えたオプションケーブル

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