冒頭の採用担当部長にこの事例を話すと「なるほど、そういう考えもありますよね。でも、ウチの規模くらいでは、素晴らしい人材とはそう簡単には出会えないのです。だから惜しいと思ってしまうのですよ……」と、最後まで煮え切らない様子でした。
ただ、この話を読んでもっと別の視点での問題点に気がついたという人もいるかもしれません。そう、「仕事についての理解度」の問題です。これから採用広報が解禁されますから、企業の多くは就活生たちに「ウチはこんな会社で、こんな人が働いていて、皆さんにはこんな仕事をしてほしいです」と必死に叫びます。そのためにコストを割き、就活サイトに掲載し、立派な採用ページをつくり、何度も説明会を設定し、そして選考のプロセスの中でも折に触れて「自社の仕事の魅力」をアピールするはずです。
しかし残念なことに、多くの就活生は忙しすぎて、その連呼される仕事について、チラッと見えただけの情報で判断せざるを得ない状況になってしまいます。それだけが原因ではないことは、もちろん承知の上で書いていますが、仕事について「よく分かっていない」就活生と、自社の仕事について「うまく伝えられていない」企業とがミスマッチを起こしているケースもある。
その状況を改善するためには、いままでのやり方という“殻”を破る必要があるのですが、それもなかなか難しい。それどころか、悪いと分かっていても改善できない……という話が最近増えてきています。この続きは来週書くことにしましょう。
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