スマートデバイスで生活が変わる――2015年夏の“新”ソフトバンクはAndroidにも注力 ヤフーとの連携はさらに強化:Surface 3も登場(2/2 ページ)
ソフトバンクモバイルが久々に大規模な発表会を開催した。ワイモバイルを統合し、商号を「ソフトバンク」に改める同社は、モバイルインターネットのNo.1コアカンパニーを目指す。
SoftBankとYahoo!JAPANで「モバイルeコマース革命」
端末と並んで、宮内氏が重視するサービス面の強化については、兄弟会社であるヤフーと協力し、「モバイルeコマース革命」を進める。具体的には、ソフトバンクスマホでYahoo!IDのログイン操作が自動で行える「スマートログイン」と、商品代金の支払いをソフトバンク携帯電話料金とまとめて支払える「スマート決済」の2つのサービスからなる。まず、「Yahoo!ショッピング」において10月以降にサービスを開始し、以後、別のサービスにも拡大していく。
※サービス内容に関する一部表記を修正しました(2015年5月21日)
この取り組みの背景として、スマホユーザーの電子商取引(eコマース)利用率がまだ50%弱で、過半数のユーザーが使っていないという現状が大きく関係している。宮内氏は、「会員登録が面倒。ログイン操作をお店(サイト)を変える度にしないといけない。そうすると、パスワードがどれがどれだかわからなくなる。そして、カード登録も面倒」と指摘し、会員登録、ログイン操作とパスワード入力、そしてカード登録の3つの“めんどう”によって利用率が思ったよりも上がらないのだと説明する。10月から提供するスマートログインとスマート決済を利用すれば、これらの“めんどう”が解消し、「(ソフトバンクスマホユーザーは)Yahoo!ショッピング(の購入手続き)を10秒でできる」(宮内氏)のだ。
IBM Watsonを使ったサービスを年度内に開始
日本IBMとの提携にもとづく「IBM Watson」を利用したアプリケーション・サービスの導入については、2015年夏中に、日本語対応の作業が完了する見通しを示した上で、2015年度内に日本語版Watsonを利用したサービスを始める予定であることを明らかにした。想定しているサービスは、病気の名前や治療方法の提案、健康レシピの提案、そして学習提案などが挙げられた。
おまけ:筆者の感想
先日のドコモやKDDI(au)の発表会同様、新端末よりもサービス面でのアピールが強い発表会であった。サービスがより便利になると、気になるのがスマホの通信量制限だ。
ソフトバンクでは、新料金プラン「スマ放題」で、直近3日間のデータ通信量による速度制限を撤廃している。しかし、旧プランでは、直近3日間で1Gバイト以上通信すると、上下128kbpsという“極めて厳しい”速度制限がかかるようになっている。
一方、ドコモは旧プランを含めて制限を撤廃済みで、auは旧プランも含めて3日間に3Gバイトに緩和している。他社の状況を見ると、「モバイルインターネットのNo.1コアカンパニー」というのが率直に「名折れ」であるという思いが発表会が進むにつれて強くなった。
そこで、発表会後の囲み取材で、「(サービス利用が増えて通信量も増える状況下で)旧プランでの通信量制限が他社と比べて厳しすぎるが、スマ放題以外で、容量制限を撤廃する考えはないのか」という質問を最後の最後で宮内氏にぶつけたところ、「スマ放題への移行を進めたい」という旨の回答が帰ってきた。
ドコモのように、旧プランを全部新規受付終了するのもどうかと思うが、旧プランを使い続けるユーザーに対して新たな“恩恵”を与えないソフトバンクの姿勢もいかがなものか、と思った。
また、フィーチャーフォンが「最終的に必要ないのではないか」とする宮内氏の見解についても思うところがある。あえてフィーチャーフォンを使い続けている人の心理をしっかり考えて、ドコモとauは方向性は違いながらもAndroidを使ったフィーチャーフォンを投入してきた。
ソフトバンクとしては、スマホへの移行こそが「モバイルインターネットのNo.1コアカンパニー」を実現するために必要なことだと思っているのかもしれないが、本当に「スマホの道」だけが、モバイルインターネットなのだろうか。なぜフィーチャーフォンユーザーが、フィーチャーフォンを“あえて”使い続けているのか考えてみてほしい、とも思った。
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