Googleは、Geminiを中核に据えた新製品「Google Home スピーカー」を発表した。6月17日に予約受け付けを開始し、25日に販売する。価格は1万6800円で、Googleストアなどのオンライン販路で購入できる。
音の再生や音声入力の基本機能に加え、新しいAIアシスタントの「Gemini for Home」を搭載し、スマートホームのハブとして家全体をインテリジェントに管理する機能を備える。サイズは約107(幅)×86.6(高さ)×107(厚さ)mm、重量は396gだ。Googleは、既に既存のスマートスピーカーやディスプレイを通じて世界中でおよそ350万世帯にGeminiを早期提供し、多数のフィードバックを得ながら改良を重ねてきた実績を持つ。
Googleが新たに発表した「Google Home スピーカー」の外観。約107(幅)×86.6(高さ)×107(厚さ)mm、重さ396gというコンパクトな設計で、部屋に置きやすいデザインとなっている従来の音声アシスタントでは、ユーザー側が機械の理解しやすい定型的な言葉を選ぶ必要があったが、Google Home スピーカーでは、デバイス側がユーザーの言葉を理解できるように強化した。
推論能力が向上したことで、複数の指示を一度に処理できるようになった。例えば、照明を暗くして、リラックスできる音楽を再生し、20分のタイマーを設定するといった異なる3つの指示を、一度の指示だけで完了できるという。また、スポーツの試合の天気を尋ねた場合、AIが自らチームの概要や次の試合の開催地を検索し、その場所の天気を推論して答えるといった高度な文脈の理解を実現している。
さらに、複雑な質問に対して洗練された答えを返す一方で、照明の操作などのシンプルな要求に対しては素早く応答するよう、パフォーマンスとレスポンスの速度をこれまでに40%改善したという。
流動的な会話体験も可能になった。従来は、質問を投げるたびに起動の合図となるウェイクワードを発話する必要があった。しかし、本製品は会話の文脈を維持する機能を備えており、追加の質問やトピックの変更を行う際にも、毎回合図の言葉を繰り返す必要がない。これにより、自然な対話の流れを妨げることなく、連続してアシスタントとやりとりできる。例えば、買い物リストにアイテムを追加する際、AIが過去のリストを確認して追加の必要性を自発的に尋ねるようなやりとりも可能だ。
また、より高度な会話型体験を求めるユーザーに向けたサブスクリプションサービスとして、「Google Home Premium」も発表。月額1000円のスタンダードプランと、月額2000円のアドバンストプランを用意する。スタンダードプランに加入すると、「Gemini Live」という機能にアクセス可能となる。これを利用すれば、人間と対話するように会話の途中で発言を遮ったり、別の話題に誘導したりしながら、アイデアのブレインストーミングや相談ができる。なお、製品購入者にはスタンダードプランが6カ月間無料で提供される特典が付帯する。
日常空間に溶け込むデザインも大きな特徴で、「ポーセリン」と「ヘーゼル」という落ち着いたカラーを採用している。さらに、持続可能性への配慮として、製品の全重量に対して37%以上のリサイクル素材を使用し、生地には87%がリサイクル素材である弾力性のある糸を採用して、無駄を省く立体的な編み込み加工で製造する。
本体下部のライトリングが光ることで、「AIが音声を聞いている」「思考している」「応答している」といった状態を視覚的に表現できるという。音質にも注力し、360度へ均一に広がるフルレンジドライバを搭載している。
部屋のどこに配置しても一貫したサウンドを享受できるだけでなく、「Google TV Streamer」とペアリングすることで、映画館のような空間サラウンド体験を構築することも可能だ。さらに遠距離用の複数のマイクを組み込んでおり、部屋の離れた場所からでも一貫した音声操作を維持するという。
スマートホーム機器との連携機能も大幅に強化した。自宅に設置したネットワークカメラの映像をAIが解析し、その内容を音声でユーザーに報告する仕組みを導入した。例えば、出張で家を空けている際、車道に見知らぬ車が駐車されていないか、ペットがソファに飛び乗っていないかといった質問を投げるだけで、AIがカメラ映像を確認して即座に回答する。
さらに、外出先から帰宅した際に、不在時に起きた重要な出来事をAIに要約させる機能も搭載している。長時間に及ぶ録画映像や各デバイスから収集した情報をAIが包括的に分析し、あらかじめ登録された家族の顔やペットの活動など、ユーザーが知るべき情報だけを抜粋して短い報告としてまとめるため、留守中の家の安全を簡単に確認できる。
ユーザーのプライバシー保護やセキュリティも重視する。カメラでGeminiを利用するには、ユーザー自身が手動でオンにする仕様にし、心理的なハードルを払拭(ふっしょく)するよう配慮した。
スマートスピーカーでの会話は常にサーバへ送信しているわけではない。マイクは起動の合図を待つために常に周囲の音声を取得している状態にあるが、起動の合図を検知した場合や、特定の機能を使用する場合にのみ音声データをサーバへ送信し、クラウド上で処理を行う。データ送信中はデバイスのライトが点滅してユーザーに視覚的な通知を行い、不要な場合はマイク機能を物理的なスイッチで完全にオフにすることも可能だ。
また、収集した環境センサーのデータはスマートホーム機器の利便性向上のために活用する。例えば、利用者のサーモスタットから集計した周囲光センサーと温度センサーのデータを分析し、直射日光によってサーモスタットが実際よりも温度を高く感知する問題を発見した結果、正しい温度設定を維持する日光遮断機能を新たに導入したという事例も存在する。
さらにGoogleは、動画や音声、環境センサーのデータを広告から切り離して管理しており、これらのデータを広告のカスタマイズに使用しない方針を明確にしている。アカウントの保護機能として、不審なログインを検知する機能や2段階認証プロセスなどの自動セキュリティ保護を適用する。
販売開始日から最低5年間は自動で重要なセキュリティアップデートが提供されるため、新たな脅威が発生した際にも迅速に対処し、ユーザーの個人情報やスマートホーム環境を長期にわたって安全に維持する設計となっている。
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